番傘の納品と野点傘の張替

番傘を納品しました。

最後に番傘を納品したのがいつだったのかわからないくらい久しぶりに番傘を納品しました。

絵入れのデザインはある程度のイメージが先方にあったようなので
妻のサッコにデザインの修正と絵入れを依頼。

ギャラは時給1000円。

無事納品完了。

あと10年前に張替と修理をした野点傘の張替の依頼がありました。

和紙を全部剥がして
あちこち壊れた傘骨を修理してある野点傘を点検していると10年前にボクに

「よ〜修理したね」

と言ってあげたい気持ちになりました。

今回は前回よりも複雑な修理になりそうですが
10年前のボクに今のボクはなんと言われるのか想像しながら作業をしようと思います。

あと別件で野点傘の張替や舞踊傘の製作依頼など様々な和傘の製作で忙しい夏になりそうです。

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三段傘の修理

三段傘の修理が終わったので納品しました。

今回は2本の継柄を新調したり壊れていた部品の交換や補修をして
新品同様になりました。

需要と供給の関係は
需要と供給で競争市場の市場価格や取引数量が決定されることなんでしょうが
作り手と使い手の気持ちという関係も大事だと思います。

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舞踊傘茶無地(紙張と紗張)

「女車引」という演目でつかわれる舞踊傘の製作をしました。

演目の内容は勉強不足なので詳しい内容はわからないのですが
3本の傘をつかう演技のようで演者の所属する流派によって
紙張の舞踊傘をつかったり紗張の舞踊傘をつかったりするそうです。

先方より見本の傘が届き
色は渋茶という指定があったので
和紙の色と紗の色についてや寸法についての打ち合わせをしたのですが
寸法は定規があるのでいいのですが
色についてはボクが見ている色と相手が見ている色が
同じなのかというのがわからないので
色見本を製作して郵送した後に電話やメールのやりとりで
打ち合わせをしました。

色の呼び名が渋茶でも黒が入った暗色の茶色ではない方がいいとのことで
実際は赤に近い茶色で製作しました。

舞踊傘では様々な色を使うので
色についてはしっかりとした打ち合わせをしています。

和紙と紗の染色は天然染料と化学染料を使用しています。

こちらから先方に連絡しようとした矢先に先方から連絡があり

「完璧です」

とお褒めのお言葉をいただいたのですが
半分はお世辞だと思っています。

お褒めのお言葉と一緒に
舞踊傘の新調の依頼と数本の舞踊傘の修理依頼をいただき
ありがたいお言葉に感謝しています。

納期の決まった納品が無事に終わりホッとしていますが
まだ納期が決まった納品があるので慌てずに急いでがんばります。

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エアコン工事をして思ったこと。

自宅のエアコンが壊れたので自分で取り替えました。

高校を卒業して家電の取付工事や電気工事や設備工事をしていたことがあったので
当時の心境を思い出しながらエアコンの取付工事でした。

当時と違う心境は

仕事ができる技術をもっていても
仕事をさせてもらわないともっている技術をつかうことができないので
仕事をさせてもらうという気持ちが大事ということ。

それから材料や道具を大切にすること。

ボクの仕事はエアコンの取付工事とは全く違う業種ですが
「仕事をさせてもらう」
という気持ちを再確認できたエアコンの取り替え工事でした。

2年前に自分の製作した傘を持って訪ねた傘屋さんから

この糸飾りは奥さんがしたの?
糸飾り(和傘の製作工程のひとつ)の技術は持っていても邪魔にならんモノやから
奥さんに教えて糸飾りをさせたもんや。

と教えてくれた職人さんの言葉を思い出しました。

自分の仕事のこと。

納期が迫った舞踊傘の納品も終わってホッとしています。
これから請求書を作成して先方に確認の連絡をしようと思います。

納品が終わってホッとしていますが
まだ納期が決まった仕事が続くので
しばらく慌ただしい日が続きます。

写真は先月に届いた修理依頼の三段傘。

1本はボクが製作した三段傘です。

残りの2本の三段傘は製作者不明なのですが
製作者不明の2本の三段傘を点検すると

「仕事をしてやっているんだよ」

という製作者の言葉を
本人に聞かなくてもわかるものだったので
技術的にうんぬんよりという気持ちよりも残念な気持ちの方が大きいです。
製作者不明の2本の三段傘を見て残念な気持ちになっても
ボクは依頼者の気持ちには応えたいので

エアコンの取付工事で再確認することができた
「仕事をさせてもらっている」
という気持ちを大切に仕事をしようと思います。

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7年前の番傘

今日はメールや電話での打ち合わせをしました。
打ち合わせが数件続いたので大変だったのですが
メールや電話でのやりとりでその人のお人柄がだいたいわかるような気がします。

遠方の方とのやりとりが簡単になった
便利な世の中ですね。

便利なモノがひとつ増えると
何か大切なモノがひとつ無くなってしまうような気がしますが
大切なモノを忘れないようにして
便利なモノを使いたいですね。

数日前にボクが7年前に製作した番傘の修理の依頼がお手紙と一緒に東京から届いたのですが
お預かりした番傘を見ると当時の心境を思い出し
その心境と今のボクを重ねると
今のボクにはある意味で製作することができない
よくできた番傘で逆に7年前の自分から今の自分には何と声をかけられるだろうなぁ〜
と想像しながら届いた番傘の点検をして見積書を作成し
お客さんからのお手紙の返事を手紙にして見積書と一緒に郵送したのですが
今日はお客さんからのお返事が葉書で届きました。

番傘の修理の依頼者のお客さんとはお会いしたことがないのですが
どんなことをしてもお客さんの気持ちにはお応えしたいです。

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「手習子」

「手習子」という演目で使われる舞踊傘を修理しました。

ボクが2年4ヶ月前に製作した舞踊傘なのですが
最近になって不具合が生じたようで
先方から連絡があり打ち合わせをして修理しました。

自分で製作した傘に不具合が生じて
その不具合を自分で修理すると
とても勉強になります。

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つまおれ傘の修理と張替(3尺5寸70軒と3尺60軒)

つまおれ傘の張替が無事に終わり納品しました。

正式名称は「儀典用端折長柄傘」というそうです。

まずは3尺5寸70軒のつまおれ傘の修理と張替について。

愛知で製造されたとても大きなつまおれ傘のでした。

とても大きなロクロや傘骨で木柄も特徴的で珍しく
仕上がりもとてもきれいなつまおれ傘でした。

今回の修理内容。

親骨(外側の傘骨)のつまおれの骨折が9ヶ所。
小骨(内側の傘骨)の折れかけが2ヶ所。
天ロクロと手元ロクロの目欠がそれぞれ1ヶ所ずつ。

つまおれの骨折は新たにつまおれを製作して継ぎ直して
小骨(内側の傘骨)は和紙で補強しました。

ロクロの目欠については
目落ちした箇所をエゴノキで継いで和紙で補修。

木柄と継柄は漆の大きな剥離もなかったので現状のままアルコールで磨き上げ
真鍮製の部品については研磨剤で磨き上げて新品同様に。
藤については新たに巻き直しました。

和紙は厚手の和紙で張替。

和紙を防水油で防水加工をして
傘の補強と装飾を絹糸で施し
布製の傘袋にいれて納品。

つまおれ傘は天満宮の神幸祭でつかわれるそうで
壊れて破れていた
つまおれ傘が新品同様になり
宮司さんはとても喜んでくれ神前へ納めていただきました。

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次は3尺60軒のつまおれ傘の修理と張替について。

40年前くらいに製作されたつまおれ傘で
京都か岐阜で製造されたつまおれ傘でした。

今回の修理内容。

つまおれの骨折4ヶ所。
小骨(内側の傘骨)の補修23ヶ所。

つまおれの骨折は前述した3尺5寸のつまおれ傘と同様に
つまおれを新たに製作して継ぎました。

小骨(内側の傘骨)については交換を考えましたが
骨折しているような状態ではなく目欠でしたので
和紙で補修しました。

ロクロや木柄、継柄は漆の大きな剥離や破損が見られなかったので
アルコールで拭きあげて仕上げました。

藤は切れていたので新たに藤を巻き直し
真鍮や銅製の部品については研磨剤で研磨したので新品同様になりました。

和紙は厚手の和紙で張替。

和紙を防水油で防水加工をして
傘の補強と装飾を絹糸で施し
布製の傘袋にいれて納品。

このつまおれ傘は野点の席でつかわれるそうです。

納品に行ってきたのですが
学校の生徒が製作したお茶碗でお抹茶がいただけるそうで
お抹茶をいただいた後はつかったお茶碗もいただける
というお茶席に使われるということでした。

学校で行われるお茶席が終わってからも
このつまおれ傘は先生の自宅でのお茶席で使っていただけるそうです。

こちらの話も嬉しいかぎりです。

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今回のエントリーでは作業内容についての写真を公開していませんが
こちらのエントリーでつまおれ傘の修理と張替の作業工程の写真を公開しています。

傘屋 崇山 Kasaya Souzan では他店購入分の修理、張替は受付していません。
和傘の修理や張替等の相談はまずは購入された販売店へご相談ください。

購入した傘屋さんが廃業されていたり
思い入れのある和傘についてはお話をお聞きした後に
傘を見せていただき、診断した後に
見積もりを提案させていただき、修理や張替の受付をしています。

お問い合わせはこちらからどうぞ。

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