三尺大傘差しかけ傘

4本の三尺大傘の納品が無事に終わりました。

10本の三尺大傘の納品予定なのですが
今回は納期が決まった4本を納品しました。
残りの6本は今秋くらいの納品の予定。

先方から

「バッチリです
 丁寧な仕事がわかります
 残りの6本の傘もよろしくお願いします」

とメールをもらいほっとしました。

やったぜ。

それでは三尺大傘の詳細を説明しますね。

轆轤(ロクロ)の目数が60軒あり傘骨の長さは三尺あって
持ち手は木柄の継柄になっている大きな傘です。

大きな和傘といえば野点傘を思い出しますが
野点傘は親骨(外側の傘骨)がツマオレ(端折れ・爪折れ)になっていて
子骨(内側の傘骨)は少し内側に矯めてあります。

今回の三尺大傘はツマオレになっていない傘骨がまっすぐの大傘で
神事に使われるそうです。

どんな風につかうんだろうなぁ〜

見てみたいです。

さて本題にいきます。

まずは見本の傘。
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見本の傘はツマオレになっているのですが
今回の三尺大傘は傘骨がまっすぐなのです。

ツマオレ傘と同じ長さの子骨を使って大傘を製作すると
子骨(内側の傘骨)が矯めてあるの子骨とまっすぐの子骨では
矯めてある小骨よりまっすぐの子骨の方が長くなるので
轆轤(ロクロ)の位置が同じだと和紙の張り具合が変わってくるのです。

木柄のハジキ(留め具)の位置が決まっているので
子骨がまっすぐだと五分(15㎜)くらいロクロの位置が上がることになり
このまま製作すると完成した傘は
見本の傘とは和紙の張り具合が変わってくるのです。

子骨の長さで和紙の張り具合が変わることを随分と悩み
製作工程と完成イメージに苦労しました。

何も考えずに作業を進めると
傘に和紙を張ったあと傘が開かなかったり
和紙が破れたり糊が剥離する可能性が高いのです。

4本の傘の和紙を張った後に傘が開かないことを想像すると
納期や予算の問題もあり失敗してやり直すという選択できないために
作業が進めることができませんでした。

しかし、じっと見ているだけでは何も変わりません。
熟考してさらに再考して作業開始。

今回は自分の持ってる知識と技術の全てを絞り出しての作業になりました。

それでは作業を公開しますね。

ダンドリが終わった傘骨と木柄に傘骨を綿糸で組み立てます。
「ツナギ」
という工程です。
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それから軒(傘の外側)に和紙を張っていきます。
軒紙が張ってあるとわからないのですが
軒糸は二本にしました。
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次は傘屋さんらしい作業の「張り」という工程です。
厚手の二・三判の手漉き和紙を張っていきます。
継張り(段張り)という方法で和紙を張るとゆとりをつくることができるのですが
見本は一枚の大きな和紙を張ってあるので一枚張りで作業しました。
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前述したように和紙を張ったあとに傘が開かないという
最悪の状況を避けるために
今回は一枚張りで和紙にゆとりをもたせて張りました。
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わかるかな?

和傘に和紙を張るという作業は

・手元紙
・軒紙
・平紙(胴紙)
・天井紙

という工程があるのですが
手漉き和紙の特性を利用して張っていきます。

魚の鯛で例えて言うと
鯛は身は刺身で食べても塩焼きでも美味しいし
残った分はあら炊きで食べても美味しいですね。
あと皮を炭火でカリッと焼いても美味しいよね。

そんな感じで和紙もいろいろな使い方をします。
和紙の使い方はまたの機会に紹介しますね。

天井紙を張る作業の写真はありません・・・・・・

「張り」の作業が終わった傘は
張った和紙をたたんで次の工程のシタゴシラエをして
和紙のケバ立ちを直す工程が終わると頭ロクロの形を整えます。

傘の種類によっては油拭きや天日干し
それから漆かけという作業に進むのですが
今回は紙仕上の無地いうことなのでこんな感じになります。

先方との打ち合わせで
和紙は無地で白色の傘ということを強調されてあったので
傘骨と頭ロクロを白塗りで仕上げました。
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それから「糸飾り」という工程です。
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「かがり」とか「糸かがり」とも呼ばれています。
下轆轤(手元轆轤)のほうから作業を進めます。

ボクの場合は約10メートルの長さの糸を何本が繋いて作業を進めていきます。
一番最後に結んだ糸をほどいていくと
一本の糸になるのですが全長は80〜90メートルくらいじゃないでしょうか。

よく考えてみるとすごいですね。

継柄は藤を巻いて真鍮製の継ぎ手と石突を取り付けます。
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傘に取り付ける継柄の真鍮パイプの中に雄ネジ
傘の方に雌ネジがが仕込んであります。
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石突は自作しました。
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継柄を取り付けて
次に納品予定の舞踊傘手習子という傘の見本と並べてみました。
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こんな感じで作業終了です。
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先方とお会いして打ち合わせから考えると
納品まで約3ヶ月ほどお待たせしました。

納品した大傘は
いつになるのかはわかりませんが
破れちゃったり壊れたりして修理して張替える可能性がありますし
壊れたときはもしかすると捨てられるかもしれません。

この三尺大傘を修理して張替えるときは
ボクのところにやってくるという確約はありませんし
その時はボクが死んじゃってこの世にいないかもしれません。

張替えるときにしかわからない場所に
今回の三尺大傘製作で悩んだ和紙の張り方を書いておきました。

もちろんボクの名前は書いてませんよ。
この傘を修理して張替えをする時にボクの名前は必要ないと思うので。

この傘を修理して張替えをする人がどんな事を感じるのか楽しみです。

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お寿司と鰻と今日の事。

大阪に出張に行ってきました。

飲食店の店舗の改装のお手伝いだったのですが
「日本一きれいに現場を掃除する」
という目標で行ってきました。

と、いうのも何年か前にボクの作業場を見て

「作業場が汚かったらきれいに仕上がるはずがないやんけ!!」

と鶏大工に言われたのを思い出したからです。
鶏大工って?何だ???
解る人には解る話なのです。

すみません・・・・・・

目標達成はどうなんだろ?
自分じゃわからないや・・・・・

熊本〜大阪への往路は初めてのジェットスター。

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復路は博多まで新幹線。

大阪では現場で作業をして美味しいものを食べて
美味しいお酒を飲んで
楽しい時間が次から次にやってきて
毎晩いつもバタンと布団に入ると3秒で寝る毎日。

ということで大阪での写真がない・・・・・・

最近の仕事は野点傘の修理の依頼や大阪でお会いした方からの大傘の依頼だったり。
いつものことで材料の手配が難しかったり納期の問題だったりと・・・・

いつものことなのでいつものように
目の前の問題を一つ一つ解決していこうと思います。

じゃないと未来の問題は解決しないよね。

野点傘の張替や修理の依頼があるのですが
海外で作られた和傘の形をした傘が大半を占めています。

もちろん外国製でも日本製でも見積もりはするのですが
外国産の野点傘だと見積金額の方が購入金額より必ず高くなるの場合がほとんどです。

ということは外国産の野点傘だと修理するより新しく外国産の傘を購入した方が安いのです。
でも海外製の野点傘を修理して張替えたこともありますよ。

今回の野点傘の修理の傘は国産品ではなく海外製でした。
お客さんは野点傘が必要だとのこと。

お客さんとお会いして修理と張替の見積もりをしました。

いつも海外製の野点傘の見積もりについて提案するときには気を使います。
お客さんは海外製の野点傘だと知らない場合ほとんどだからです。

「この野点傘は残念ですが国産品ではなく海外製です。
 この野点傘の購入金額は3~4万円くらいでボクが修理して張替すると
 購入金額より高くなってしまいます。
 同等品を新しく購入しても同じ様に破れたり破損すると思いますし
 海外製だと交換部品と同じ部品供給ができない場合もあると思います。
 国産品だと長く使えて部品の供給もできますし修理は和傘職人がいるかぎり修理はできます。
 どうしましょうか?」

と説明します。

お客さんが日本製と海外製の違いが解らないようだったら
細かい日本製と海外製の傘の違いを説明します。

「寿司職人が握るお寿司と回転寿司」
「鰻屋さんの鰻とファミレスの鰻」

で例えるとほとんどのお客さんが納得されます。
もちろん回転寿司とファミレスの鰻が海外製の野点傘ですよ。

これは寿司職人さんの握るお寿司や鰻屋さんの鰻を食べたことがないと解らない話で
回転寿司とファミレスの鰻しか食べたことがない人には伝わらない話。

かと言って回転寿司やファミレスの鰻や海外製の野点傘を否定しているわけではありません。
それでいいと言う人もいるのが世の中です。

モノが溢れている世の中なので
その世の中をひっくり返そうとはボクは思いません。

ちょっとだけ今日の事。

午前中は買い出しとiPhoneの機種変更へ。
妻のサッコと息子のシュンペイはお買い物へ。

iPhone6に機種変更しようとしたのですが売り切れ・・・・・
予約してくださいとの事。

これで2度目です。

なんじゃそりゃ。

山鹿でiPhone6を使っている人を見た事はないんだけどなぁ・・・・・

まぁいいや。

お昼ご飯を食べながら家族会議。

家族会議の結果は
作業場のメンドに藁を詰めるために家族で藁を束ねることに。

これって何ていう名前なんだろ?

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サッコが藁を束ねて
ボクがザクっと束ねた藁を切って
シュンペイがはみだした藁をハサミで切り揃えて
メンドにつめる藁をつくりました。

作業が終わると
息子のシュンペイが

おやつを準備してくれていました。

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うれしいよね。

んで、家族会議でシュンペイが提案して案件が成立した

「とうちゃんと2人で水辺プラザに行きたい」

という案件を実行して自宅に戻って晩ご飯。

今日の晩ご飯は焼肉。
お風呂上がりの焼肉は美味しかった。

あともう一つの家族会議で提案された
「サッコと2人で遊びたい」
という案件も晩ご飯の後に実行。

午前中の買い物で買ってきたコロコロコミックの付録のスゴロクで遊んでいました。

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遊んだ後はテレビで「世界の果てまでイッテQ!」を見るサッコとシュンペイ。
ボクはブログの更新。

長くなっちゃたけど
そんなこんなの最近の事。

明日は三段傘の仕上げと舞踊傘の採寸。
久しぶりに休んで気分転換できたのでがんばります。

All photograph is taken by iphone.

沖縄の傘

今日の夜は皆既月食。
久しぶりにぼーっと月を観てると
めちゃくちゃ長いトンネルの中にいる気持ちになりました。

このトンネルの先ってどんな景色なんだろう・・・・・

さて、今日は手直しの舞踊傘が届きました。

柄竹を4cm短くしてほしいとの事。

沖縄の傘と書かれた舞踊傘を3本預かりました。

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舞踊の世界で使われる舞踊傘は演者の方より様々な注文があります。

ハジキ(留め具)を5分下げてとか上げてとか
紋はこの位置じゃないと困るとか
柄竹を1寸長くしたり短くしたりとか
傘骨の長さを5分短くとか様々な細かい注文があります。

ちなみに5分って1.5cmですよ。

1.5cm。

沖縄の傘で思い出したのですが
ボクの製作している日傘はこれなのですが
和傘全盛の時代には日傘を沖縄へ出荷していたよと職人さんに聞きました。

ちなみに話を聞いた職人さん達が製作していた日傘とボクが製作している日傘は同じ製作方法です。
その職人さんは和傘の製作方法は教えてくれませんでした。

そりゃそうだ。

沖縄に日傘かぁ〜

いいかもね。

実は新しい規格の日傘を製作しようと考えています。
若い世代から年配の方まで使えるような日傘を製作する予定で
大きさや雰囲気はとてもかわいいですよ。

まだ材料の問題があってまだまだ時間はかかりそうなのですが

乞うご期待!!!

そうそう10月2日に貸出書と山鹿傘が届いたとウチに受領書が届きました。

もうちょっとでカウントダウン開始。

やっぱり気になるし、心配だなぁ〜

ボクは小心者なのです・・・・・・

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最後に今日のお月さんの写真。

「月」に「お」と「さん」をつけて「お月さん」って日本人らしくていいよね。

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めちゃくちゃ長いトンネルに見えませんか?

All photograph is taken by Camera Sony DSC-RX100

梅雨

熊本は梅雨入り宣言はされたようですが
九州では晴天が続き雨模様の天気をここ数日間は見ていません。
長雨が続くと雨の被害が出ないか心配にもなりますが・・・・

自然に逆らわずに自然に生きて行きたいですね。

さて最近の事。

全国ネットでの放送のようでしたがテレビ取材の依頼をお断りました。

電話での打ち合わせだったのですが
番組ディレクターの方によると
岐阜の傘屋さんからウチの連絡先を聞いたらしく
岐阜の傘屋さんはタイミングが合わずに取材ができないとのことでボクを紹介してくれたようです。
「腕のいい職人が熊本にいる」って聞いたんだって。

ピンとこないや・・・・・

ボクはもっときれいな傘がつくれるようになりたいです。

ディレクターさんは一日である程度の和傘製作行程の取材を希望されていて
ボクのところでは一日で撮影するのは不可能な話なのでお断りしました。
あと放送というアクションがあるとその番組をみたリアクションがあり
ボクがそのリアクションに応えることができないということも伝えました。

電話でディレクターさんからの和傘についてや
他県の傘屋さんについての質問などを電話でお答えしました。

あっ、過去に質問コーナーをブログで公開していたんだけど
質問がこなくなったから第二回公開質問でストップしてますね・・・・・・

まぁいいか。

それから、新聞社より取材依頼。
梅雨に入り雨と言えば傘ということで
山鹿傘についての取材依頼がありました。
最初に記事の校正をお願いしましたが
新聞は記者の視線からの記事を掲載しているとのことで
ボクの希望する記事の校正が認められませんでした。

記者の取材主旨をお聞きすると
山鹿傘のある風景を山鹿になじませたいようで
梅雨時期も重なっているので
天日干しのような作業風景を記事にしたいとのことで
毎年の記事掲載を季節風物詩のようにしたいと言っていました。

ボクのところでは舞踊傘や外注分の作業をやっていますので
全国的によく目にする梅雨時期前の和傘の天日干しという作業をここ数年やっていなく
記者の主旨とは異なる様子でしたので、今回は記者との打ち合わせの結果
新聞への掲載は見送られました。

そうだよね。

新聞の記事でウソはいかんよね。

さすが新聞記者。

ボクは打ち合わせでの様子で記者の方には好感はもてなかったです。
作業場の机をはさんでお互いに椅子に座ったのですが
真っすぐに向かい合う様子が見れなく窓際にもたれかかって何かを考えている様子でした。
新聞記者っていう職業の方はそんなものかなぁ〜と感じました。

「取材される側」と「取材する側」は
「取材をしていただく」と「取材をさせていただく」

という関係じゃないと
ボクは気持ちが悪くて本音を発言する気にはなれません。
両者は対等な関係だと思うのです。

でも、お互いの意見は言い合え
きちんとした着地点で打ち合わせが終わったのでよかったです。

今までに新聞やテレビで取材をしていただいたことはあるのですが
新聞やテレビの瞬間的影響は大きいです。

記事や番組で自分の言いたい事が言えて
番組制作者や記者の方とボクとの間に共感する何かがある時には
ボクは取材を受けさせてもらっているのですが
その何かの共感がないままに取材を受けメディアを通して世の中に伝わる時は
すごくもどかしい気持ちになります。
取材を受けたメディアの中には真摯な対応で
「取材してもらってよかったなぁ〜」と思うときもありましたが
全てのメディアがそうではないのを取材という経験して理解しました・・・・・

たぶんみなさんも気がついていると思うのですが
こうやって自分で言いたい事を自分の言葉で発信できる世の中になりましたので
ネット上での声は大きくはないのですが自分の声が伝わればいいかなと考えています。

それから、もう1つ。

Twitterでもつぶやいていたのですが
テレビのCMにボクの製作した日傘を使いたいとCM製作者の方より電話をいただきました。

ちなみにこの日傘です。

この日傘を雨の降るシチュエーションで使いたいとのことでしたが
日傘は防水加工をしていないので不可能という説明をしたあとに
この二重張の日傘で防水加工をすると
白の和紙の下に袋張で張っている紺色が防水加工で透けてしまい
外側が白で内側が紺という傘にはならないだろうという説明をしました。

じゃあ紫色の傘を製作するとどれくらいの期間がかかるか?
ということを尋ねられましたが
先方の希望する納期には間に合わないので岐阜の傘屋さんを紹介しました。

「昔からの傘屋さんでとても立派な傘を製作してありますよ」

と紹介しました。

CM製作者の方にどのような商品のCMで使われるのかをお聞きしたのですが
「ビールの宣伝としか言えません」
と言われていたので

きっと、放送されるCMはこれだと思います。

スクリーンショット 2014-06-13 22.39.16

公式ページはこちら

福山雅治さんの傘を閉じる所作が美しいですね。

このCM以外にも過去にCMで使いたいという電話をもらったのですが
そのときもボクの所では製作不可能な話だったので岐阜の傘屋さんを紹介したなぁ〜

ボクには解決できない問題が解決した場面を見るとやっぱり岐阜はカサドコロだと思いましたね。
ボクが岐阜の傘屋さんには敵わないと思う瞬間です。

ボクは岐阜の傘屋さんができないような傘をつくりたいと考えています。

長くなっちゃいましたが、
取材をお断りしているので何か和傘の事を公開しますね。

最近は前述したように雨の日に使う番傘などの製作より
舞踊傘の新調や修理の依頼が多いです。
現在は材料を少しずつ揃えてダンドリしているのですが
材料が揃わないと作業は進みません。
新調の依頼されて結構な日数が経過していて先方にお待たせしている状況なのですが・・・・・・・

さて、取材をお断りしたので
なにか和傘の事ってことで作業を公開したいと思います。

現在は三段傘の製作を進めていますが作業というより材料についてになりますね。

これが柄竹。
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舞踊傘等の持ち手になる竹です。
女竹を一年以上寝かして加工してます。
この柄竹に木製のハジキを取り付けます。
三段傘は継柄が必要で継柄も一緒に加工します。

このエントリーとこのエントリーで柄竹について紹介していますのでよかったら見てね。

それから傘骨です。
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三段傘なので長さの違う傘骨が三種類あります。
黒に染めて、内側の傘骨に塗りを施して
外側の傘骨全てに長い帯状の銀色の紙を張ります。
銀色の色紙はこんな感じの色紙です。
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これを4㎜幅で切って
その4㎜幅の色紙を外側の傘骨に巻きながら貼っていきます。

三段傘は和紙ではなく紗張になります。
絹ですね。
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この布地は絹で1疋(イッピキ)あります。
この絹を紺色(茄子紺)に染め使用します。

これからこれらの材料をつかって繰り込みという作業やつなぎという作業をして
傘屋さんのイメージが強い「張り」という作業にとりかかります。

なにがなんだかわかりにくいですね・・・・

「材料のことはわかったけど、三段傘ってどんな傘なんだ!!」

って気になる人は

「舞踊 汐汲 三段傘」

で画像検索してみてね。

以前のエントリーで三段傘の修理の事を紹介しています。
三段傘の完成品が見られますのでよかったら見てね。

これからもう少し材料の加工をして三段傘の製作をするのですが
全て手作業なので時間がかかります・・・・・・・

おまけ。
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和紙を張ったあとに和紙が浮いているときに使います。
こういう小手先の道具って以外と好き。

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抹茶

熊本県伝統工芸館で開催中の

『伝統の技と心「山鹿灯籠」展』

に来場されたお客さんから
4月6日に舞踊傘の修理の依頼があり
修理がおわったのでお客さんと熊本県伝統工芸館で待ち合わせをして
舞踊傘をお客さんに納品してきました。

修理内容を説明した後に集金をしたのですが
お客さんから
「お時間があるようでしたら近くに抹茶がいただけるところがありますのでいかがですか?」
と誘われたので
「妻と息子と来ていますので一声かけてきます」
と言って妻にお客さんからお茶に誘われたことを伝えお客さんに
「妻に伝えてきましたので遠慮なくご一緒させてもらえますか」
と言って抹茶をいただいてきました。

お客さんとお話していると
どうもお客さんは舞踊やお茶を嗜んでいらっしゃるようでした。
ボクはお茶の世界には興味があるので
お茶室で抹茶をいただきながら色々なお茶の世界をお聞きして体験してきましたよ。

んーなんだろね。

相手を思いやる気持ちや目の前に対峙するモノに対しての考え方。
季節感や目の前にある世界、口の中の感覚。
それから会話。

お茶の世界っていいね。

お客さんにはお金もいただいたのですが気持ちのいい刺激も一緒にいただいてきましたよ。
こういう仕事はうれしいものです。

お茶席には何度が行ったことはあるのですが
無知のまま、自分のおもむくままにお茶をいただいていたので
今日は本当にすこしですがお茶の世界を勉強することができました。

んーよかった。

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A photograph is taken by iPhone.

舞踊傘の修理の打ち合わせ

今日は久留米にロクロという和傘の材料を製造する機械とロクロの勉強に行ってきました。

機械のカラクリ?
これは目にすると忘れない。
百閒は一見にしかず。

いや、目にしただけでは理解できないと思います。
ちゃんとした説明が必要です。
人間の手でもつくることの出来るロクロもあるという話も聞きましたが

すげぇよ!!

和傘のロクロの機械って。

人間の手でつくる事のできないモノをつくる事ができます。

ロクロ屋さんと傘屋さんの関係やロクロについて等の話を聞くことができて
とても勉強になり後学となりました。

今回はネット上やメディア等での公開はしないとの条件で動画で記録させてもらったので
記録は公開できません・・・・

最近は情報の共有という便利な言葉を使って
他人のプライバシー等の情報を本人の許可無く公開する行為がよく目に入りますよね。
自分の情報を公開するのがネット上でのモラルでありリテラシーかと思います。

今日、お会いした方はとても丁寧な感じのする方で
きっと製作していたロクロも丁寧な仕上がりだったと思います。

「自分の必要なモノは自分でつくる」

という感じの方でした。

これって大事だよね。
こういう感覚の時って自分の中でわかっているような気持ちになるんだけど
わかっているような感覚だから
すぐに忘れちゃう・・・・・

和傘の材料のロクロについてはまた次回に紹介しますね。

帰りに八女でお昼ごはんを食べてきました。

うどん屋さんでごぼう天うどんとおいなりさんを食べてきたんだけど美味しかった。
女性スタッフの対応が気持ちがいい。

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今日は裏口から入店。

自宅に戻り新聞記者さんと打ち合わせが終わって
電話で舞踊傘の修理の打ち合わせ。

修理するのがよいのか
張替するのがよいのか
新調するのがよいのか

悩んでいます。

先方は修理についてはボクに一任していただけるようなので
ますます悩みは深くなります。

予算の問題もあるし・・・・・・

最近は悩んだときには
考えをそのまま一晩寝かせて
朝一番の感覚を大切にして問題解決の方向を決定しています。

ってことでもう寝ます。

A photograph is taken by iPhone.

鉛筆

久しぶりにブログの更新。
下書きのままでなかなか更新できませんでした。

25本の番傘に和紙を張るという
ひとまとまりの作業をしていると雑務や事務処理がたまります。
少し前に作業のケリがついたので
最近は事務処理やメールの対応それから来客の対応なんかをこなしていました。

最近の仕事について。

・舞踊傘の修繕と点検。

こんな感じで和紙を張って・・・・・・

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こんな感じに仕上がります。

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納品完了。
色のことを心配していたんだけど
色もうまく合わせることができてホッとしました。
先方にメールをもらった感じでは問題なかったようでよかったです。

もう1本の舞踊傘の修理をしました。
ブルーの舞踊傘でハジキの位置や軒糸や軒紙の補修。
電話連絡もすんであとは納品のみ。

・メールの対応。

2週間前くらいに京都からお客さんが来てくれました。
このお客さんは男性で年齢は50歳は過ぎている方だと思います。
自分の足と公共機関を乗り継いで旅行をされているそうで
行けるところまで行って旅館やホテルに宿泊されているそうでした。

すごく羨ましい贅沢な時間の使い方です。

3日前にそのお客さんにメールを送ったのですが
そのお客さんより返信のメールが届きました。
打ち合わせも無事に終了。

メールと言えば
メールで材料の相談のメールを送りました。

メールは遠方の方と時間を気にする事なく
仕事のやりとりができるので便利なのですが
どうもボクはメールでのやり取りは苦手なようです。

仕事のメールって時間がかかりますよね。

メールについてもうひとつ。

このブログやサイトを見て問い合わせのメールもくるのですが
返信のメールを送っても
先方の連絡先がメールアドレスだけの場合があり
こちらからの確認方法がなかったりすることがあります。
時間を費やしてメールを送っていますので
先方より返信のメールが届かないと

「冷やかしかよ!」

って感じる時もあります。

冷やかしはやめてね・・・・・・・

・電話で舞踊傘の打ち合わせ。

スタッフの方や責任者の方と電話やメールで打ち合わせしています。
あと手紙でやりとりしているのでしっかり会話ができているのですが
お互いの膝を突き合わせて打ち合わせをしているわけではないので
少しの不安がいつも残ります。

・カンテキをお願いしていた柄竹が届いた。

ピシャっと伸してある柄竹を見ると気持ちがよくうれしいものです。
でもね、忘れものがあった・・・・・
そういう時は自分でカンテキするしかないのです。

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右がカンテキして伸した竹で
左が洗っただけの竹。
わかります?
この竹はちょうど2年前に仕入れていた竹です。
このエントリーで紹介しているように継柄になります。

・舞踊傘の採寸。

いろんな寸法の舞踊傘やさまざまな種類の舞踊傘があります。
舞踊傘の材料が全て同じだといいのですが・・・・・・
舞踊の世界はさまざまな寸法の傘が多いので材料の仕入れが大変です。

・大分からOさんが来ました。

Oさんは自分で番傘をつくっている方です。
「吉田さんと違って趣味でやってるから・・・」といつも言っています。
木綿糸の撚り方がわからないのとOさんが言ってたので
実際に木綿糸を撚っているところを見せてコツを教えました。

自分の仕事を他人に教えるというめんどくさい事をしたのは
少しでも他人の役に立つ事ができたらというボクの小さな良心ですが
ボクはただのめんどくさい赤の他人には役に立たなくてもいいと思っています。

ちなみにこのエントリーで木綿糸の撚り方を紹介しています。

モラルのないお客さんの対応はしたくありませんが
モラルを感じるお客さんからの質問は全てお答えしています。

「お客様は神様です」

ってそんなことは言っちゃいけません。
お客さんは神様ではありません。
お客さんはお客さんです。

これからOさんのような方が増えると思います。

趣味でモノをつくっている方で道具にこだわる人っているけど
はじめてモノをつくる時や何かやってみる時には
道具にこだわりを持たない方がボクはいいと思うなぁ〜

目的は道具にこだわることではなくてモノを作りたいんだから。

はじめて手でつくったモノには道具のこだわりは反映されないんで
まずはつくったりやってみること。
つくったモノの細かいクオリティーを補うモノが専用の道具や知識だと思うな。
その細かいところに気がつくと専門の道具や知識が必要になると思います。

鉛筆削りに例えるとわかりやすいよね。

鉛筆をどう削るかよりも
鉛筆って自分の伝えたいことを相手に伝える道具です。
その鉛筆という道具をつかうためには
小刀で削ってもいいし、
大工さんが使う鑿でも大丈夫。
包丁だっていけるし
割り箸に墨をつけても字は書ける。

鉛筆を削る道具はなんだっていい。
鉛筆は削って紙に書かないとただの木材です。

わかりにくいかな・・・・・・

鉛筆といえば
最近は息子が宅配便で届く荷物を受け取ってくれるので助かっています。
どんなサインをしているんだろう?

・木彫家のMさんかウチに展覧会のフライヤーをもって来てくれました。

桐生最中をお土産でもらった。
ずーっと息子が食べてるから一口もらったんだけど
口にすると餡が先に舌に入り
それからの皮の感触がしてとても美味しかった。

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慌ただしい日々を過ごしているような感じなのですが
いやでも起こる毎日の問題はひとつずつしか解決できません。

この日記を書いていて

「両手でメシが食える人はおらんやろ?」

と言っていた金沢の和傘職人さんの言葉を思い出しました。

All photograph is taken by iphone.

門前小僧

今日の事。

午前中は作業をして
お昼から熊本県伝統工芸館に行ってきました。

お客さんから舞踊傘の修理の傘を受け取って伝統工芸館の外のテラスで打ち合わせ。
預かった傘はブルーの珍しい色の傘でした。
26年前の傘だって。

数日前に伝統工芸館のスタッフの方より伝統工芸の助成ついて電話で連絡をもらったのですが
詳細が知りたくて直接話を聞きに行きました。
が、今回は見送らせてもらいました。
預かった修理の傘や熊本県伝統工芸館については前回のエントリーで紹介してます。

次は昨日の事。

数日前に舞踊傘の修繕の依頼があり舞踊傘が届きました。
手紙と電話とメールで打ち合わせをしたのですが
先方より代金についてお心遣いをしてもらったので
今回は遠慮なくお気持ちをいただきました。

この舞踊傘は「末広がり」という演目で使われるらしいです。

預かった2本の舞踊傘

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それから数日前の事。

帰省中の妻と息子を迎えに行きました。
帰りに大分の竹田で美味しい中華そばを食べて、
看板のない豆腐屋さんい行って堅豆腐を2丁買った。
ここの堅豆腐はおすすめです。
美味しいよ。

それから寒かったのですが河川プールに散歩に行きました。
やっぱり寒かったです・・・・
夏になったら水遊びに行こうと思います。

こんな感じのところ。

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もっと数日前の事。

入学式までの待機期間なので、作業場に上がってくる息子。

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門前小僧ってやつですね。

「親の背中を見て育つ」って言葉があるけど
どっちがどっちの背中を見ているんだろう・・・・・・
っていつも思います。

ボクと妻と息子の3人で生活していますが
家にはいつでも誰かいるという安心感を大事にしたいです。

最後はさらに数日前の事。

福岡の甘木に息子と2人で行ってきました。
公園でお弁当を食べて、キャッチボールをしました。
桜の木の下でごろんと2人で寝っころがって遊んでたら
まぶしかったのでサングラスをフィルターにしてiPhoneで撮影した桜。

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そんなこんなの最近の事でした。

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日曜日

昨日の事。

奥様が朝からご機嫌がななめの日曜日。

あっ、夫婦喧嘩してるわけでもありませんよ。

理由を聞いてみると、ボクがどうかしてあげれる事もできずに・・・・

朝ご飯を息子と作って、お茶碗洗ってからお風呂掃除して掃除、洗濯した午前中。

ボクがサラリーマンだったら、
マンションに住んで全自動食器洗い器とか洗濯乾燥機とかルンバとか買うのかなぁ〜
と考えながら午前中は家事をしました。

朝食がいつもよりおそかったので、お昼になってもお腹が空かないので
おにぎりをもって家族で近所の不動岩へ。

行ってみたかった不動岩の近くにある穴観音と足手荒神と金比羅神社を参拝。
そのまま、不動岩の麓にある不動明王も参拝。

初めて行った穴観音は良かった。
厳粛な気持ちになり心が引き締まりました。

さて、山登り。

午前中から不安定な天気でしたが
雨はふらないという天気予報は知っていましたが
途中、雲行きがあやしくなり雨が降りそうな気配。

「雨がふってない?」

という足取りの重たい妻の言葉に悩みましたが
なんだか、ボクも気がおもくなり中止という判断で途中から下山。

行動をおこした事を途中で中断する気分の悪さが嫌いなボクです。

駐車場までおりると、天気も回復してて風に少しの冷たさは感じましたが
陽射しは暖かかったです。

ベンチに座っておにぎりを食べましたが、家族の意見がなんだか合いません。
そんな時もありますよね・・・・・・

食事も終わって、時間もあったので
妻のリクエストの相良観音へ行く事に。

相良観音で参拝して、昨日は1日参拝デーでした。

帰りにお土産屋さんで、お饅頭とバンペイユ?を買って帰宅。
お饅頭はニッケの葉をひいてありほんのりとニッケの風味がしました。

そんなこんなの日曜日。

ちょっとだけ仕事の話。

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写真は三段傘。
サンガイガサとも言われているらしいです。
壊れちゃったみたいで修理の依頼がありました。
本舞台では使わないので、修理してお稽古用で使用したいとの事。

「汐汲」という演目でつかわれています。
何年か前に本舞台のDVDを頂いたので観賞したことがあります。

三段傘は以前製作して納品させてもらった事があり
開閉の仕組み等の細かい仕様がわかるので修理を受付けました。

今日は午前中に雑務をこなし、ちょっと早い昼食をすませ
ずーっと焚きモノの前にいたんで火にマケタ感じ。
顔が赤くなって、髪の毛が少し焼けてた・・・・・・

喉が渇いたんでビールを飲んだらすごい美味しかったんだけど、
すぐに酔っぱらった感じの1日でした。

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野点傘の修理と張替

野点傘の修理と張替が終わりました。

お客さんに見積書を郵送したのが2012年6月26日だから約1年お待たせしました。

作業内容を公開します。

まずは張替をする傘の詳細を説明しますね。

轆轤(ロクロ)の目数が70軒あり傘骨の長さは三尺五寸と大きな野点傘です。
和紙の色が合っていないところや、補修したあと、
傘骨も修理した箇所が見られて
和紙の風合いからすると
そんなに古い傘ではありませんでしたが
何度も使用している感じでした。
傘が転倒したようで傘骨が15本折れていて補修は不可能な状態でしたので
痛んだ箇所を全て修理して張替をしました。

それでは作業の工程です。

まずは、カッターで傘骨から和紙を切り取りとります。
切り取ったあとは、傘骨に和紙が残った状態になるのですが、
その傘骨をお湯につけておくと、和紙がきれいに剝離するので
残った糊などをきれいにして、張り直せるように準備をします。

野点傘の張替には野点和紙が必要です。
野点傘のために特別に漉かれた和紙です。

野点和紙を漉かれてある方に電話をかけたところ廃業されたのことで
材料の準備で困っていたのですが、
岐阜の和傘製作所の株式会社坂井田永吉本店の坂井田さんに相談したところ
快く材料をわけてくださいました。

この場をかりてお礼申し上げます。
ありがとうございました。

和紙の準備が整ったので、骨折した傘骨を修理します。
話が蛇足しますが
「骨を折る」という言葉は傘屋さんの言葉だそうですよ。
他にも和傘に関する言葉ってたくさんあります。

また機会があれば紹介しますね。

骨折した傘骨を継ぎます。
この野点傘の傘骨は孟宗竹のようですが
ボクは隣町の八女の竹材店から購入してきた真竹のモトを使って修理しました。

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端折の所はこんな感じで骨折していたので
新たに製作した傘骨で壊れた傘骨を継いで修理します。

製作した傘骨
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こんな感じで傘骨を継ぎます。
傘骨を継いだら和紙で補強します。
人間の骨折で例えると和紙はギプスですね。
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ウチのウラにも竹林はあるのですが今回は竹材店から購入した真竹を使用しています。

壊れたところは糸でも修理します。
この糸は畳をつくるときのイグサを織る?のに使用する糸です。
すごく丈夫な糸です。
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修理が終わったので
次は「つなぎ」という工程です。
片撚りの木綿糸で傘の外側の骨「親骨」と内側の骨「小骨」を組み立てます。

傘骨を修理した所がまだ新しいのですぐにわかります。
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それから傘屋さんらしい作業の「張り」という作業です。
野点和紙を張っていきます。
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それから「天井張り」という作業です。
傘の最上部に和紙を張るのですが、
「張り」の作業と同じように平たく張ると傘の開閉が出来ず
無理に開こうとすると破れてしまいます。
建築でいうトイのように骨と骨の間に溝ができるように張っていきます。
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張り終わったら傘を畳み
糊や柿渋を使って次の工程のシタゴシラエをしておきます。

次の作業は和紙に植物性の油を含ませて天気のいい日に干します。
「天日干し」という作業です。
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待つのも仕事なのです。

天気が良くても天日干しの準備ができていない時は
「天気がもったいないなぁ」
といつも思います。

天日干しの次は「漆がけ」という作業で外側の親骨の上だけに漆を塗装します。
昔は漆をつかっていたようですが、
ボクはカシューという漆系合成樹脂塗料を使用しています。
昔は漆場という作業場があったそうですよ。
九州の傘屋さんに聞いた話によると漆場には
漆に埃が混入しないようにいろんな工夫がされてあったそうです。
この漆がけという作業は何度しても緊張する作業です。
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次は「糸飾り」という作業です。
「かがり」とか「糸かがり」とも呼ばれています。
下轆轤(手元轆轤)のほうから作業を進めます。
作業途中の写真ですが赤と黄色の糸が新しいのがわかります?
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この「糸飾り」という工程は
補強の意味があります。
建築でいうスジカイですね。

和傘の種類にもよるのですが、
この「糸飾り」がないと赤ちゃんの首がすわっていないような状態で
傘全体がぐらんぐらんと不安定な状態です。

先人達の「知恵」ですね。
敬服するしかありません。

この作業は順番を間違わなければ誰にでも出来ます。
蛇足ですが、
去年の夏にどうしても海に遊びに行きたかったので
時間短縮のためにウチに遊びに来てた友達に手伝ってもらったこともあります。

和傘の作業に使う針は尖っていなくていいので全ての針の針先を折っています。

下轆轤(手元ロクロ)は欠けや漆の剝離などがなかったので修理をする必要がなかったのですが
汚れを落としたのでピカピカになりました。
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継柄と木柄は漆が剝離していたのでカシューで塗装しなおして
真鍮や銅製の石突は磨いてピカピカになりましたよ。
藤は切れていたので巻き直しました。
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こんな感じで作業終了です。
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あとは修繕した日付が入った袋にいれて納品。
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野点傘は和紙が張ってあるので破れることがあったり、
今回のように風で倒れたりして骨折したりします。
和傘は繊細なつくりなので壊れることもありますが壊れにくいモノです。
和傘が壊れることがあっても何度でも修理が可能です。

このブログを読まれている方は
「和傘 張替」や「番傘 張替」「野点傘 修理」とか「張替」という
キーワードで検索されているようなので
ボクもGoogleで検索してみました。
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ネット上では

「和傘は修理可能です」

「和傘は修理をするより新品を買った方が早くて安い」

という製造者や販売店がありました。

「和傘は修理するより新品を買った方が早くて安い」
という販売店は自店で和傘を製作していないということはわかります。
商品を仕入れて販売している販売店なんでしょうね。

「和傘は修理可能です」
という販売店や製作者は
張替や修理は予算や材料や納期の問題があるので
「和傘は修理可能です」としか言えないのは、ボクには理解できます。

今回の野点傘の張替と修理はお預かりしている期間が1年という長期間でしたが
「新品を購入したほうが安い」という金額ではありませんでした。

傘の破損具合によっては新調と同じくらいの修理代金をいただく場合もありますが
それでもお客さんから張替や修理をしてもらいたいという依頼があります。

ボクは

「和傘は修理するより新品を買った方が早くて安い」

とお客さんに言ったことはありません。

修理で預かる期間が長期間だったり、修理費用が新品とおなじくらいの代金になっても
修理をするか、修理をしないかを最後に決めるのはお客さんだし

修理をするかしないかを販売店や製作者が決めてしまうことは
和傘の世界が無くなってしまう方向に進んで行くことだと思います。

和傘をつかうのは和傘製作者でも販売店でもなくお客さんです。

傘屋 崇山 Kasaya Souzan では他店購入分の修理、張替は受付していません。
和傘の修理や張替等の相談はまずは購入された販売店へご相談ください。

購入した傘屋さんが廃業されていたり
思い入れのある和傘についてはお話をお聞きした後に
傘を見せていただき診断した後に
見積もりを提案させてもらい修理や張替の受付をしています。

お問い合わせはこちらからどうぞ。