鷺娘の傘

演目「鷺娘」で使われる舞踊傘を製作しました。

鷺娘は黒でぼかした舞踊傘で和紙や絹(紗)を張って傘を製作します。

今回の依頼は坂東玉三郎さんが鷺娘で使われる舞踊傘と同じ寸法で製作してほしいということ。

坂東玉三郎さんが鷺娘で使われる舞踊傘は特殊な寸法で
その特殊な寸法での製作は材料の関係で製作を見送ることになり
先方に伝えると数日後に

「やっぱりあきらめられないんですよね。
 ハジキの位置を上げてもらって傘が大きく見えるようにできませんか?」

と連絡があったのですが先方との信頼関係もあり
こういった相談はどうにか形にして応えたいものです。

信頼関係というのは目に見える契約書などないので
信頼を裏切られることもあるのでしょうが
ボクは信用できると思った人に対してはどんなことがあっても信じて
ボクの出来る範囲で応えています。

打ち合わせの時に聞いた話からの推測ですが
ボクの製作した鷺娘の舞踊傘は坂東玉三郎さんが鷺娘で使われる舞踊傘の寸法と
実寸で直径が6分程度(約18mm)小さいのですがハジキの位置を上げ傘を大きく見えるようにして
ほぼ同じ寸法で製作できたのでよかったです。

納品も終わり一安心。

だったのですが・・・・・・

「紙の方はいいんですけど紗(絹)の方のハジキを下げてもらえませんか?」

と先方から連絡がありました。

紙の傘は問題なく紗(絹)の傘のハジキを下げるのは理由があるのですが
見る人が見ればわかるというのは製作者にとって怖いモノです。

ハジキ位置は柄竹を交換して調整しようと考えましたが
ちょうといい寸法の柄竹の在庫がなかったので
既存の柄竹を継いで延長してハジキの位置を調整しました。

柄竹を継ぐ加工がちょっと大変だったけど無事に調整が終わって改めて納品完了。
しばらくして連絡がありリハーサルも無事に問題なく終わったということで先方も安心した様子。

よかった。

別件で鷺娘の舞踊傘の製作依頼があってこちらは無事に問題なく納品完了。
こちらの案件は納期の期日は指定されていなかったのですが
長い時間待たせてしまい納品が遅くなってしまいました。

あと写真はありませんが鷺娘で使われる様々な大きさの舞踊傘の修理依頼がありました。
こちらはどうやって修理しようか悩んでいましたが電話での打ち合わせで新調することになり
修理依頼の傘は修理と張替を進める方向になりました。

舞踊の世界では様々な種類の舞踊傘が使われていて和傘が必要とされています。

材料の入手が困難な場合もあって製作不可能な和傘もありますが
ボクはどんな和傘でも製作できるようになりたいです。

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番傘の納品

過去のエントリーで紹介した番傘の納品を10月15日にしました。

秋雨に間に合ってホッとしています。

詳細は控えますが

日本代表として米国へ。
海外の方々との交流も傘が一役。
修理しても使用したいと・・・・

というお言葉を最初のお手紙でいただいていました。

お客さんから通信文でお礼のお言葉と
電信振替での送金の連絡をいただき安心。

うれしいかぎりです。

今日のこと。

少し特殊な舞踊傘の製作依頼をいただいているので
丸太から25mm×25mm×40mmの角材に製材しました。
製材所で加工したようにピシャっとした直角ではありませんが
この角材からさらに加工をするので問題はありません。

世の中に売っていないモノは自分で作るしかないですね。

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久留米大学公開講座

久留米大学公開講座の講師として登壇してきました。

講題は「八女和紙と山鹿傘」だったのですが
八女和紙については和紙職人さんの方が詳しいので
八女和紙については少々ふれる程度で
和傘についての話を中心に講話をしました。

公開講座の事前告知も考えましたが
講師として謝金をいただきますので
いただく謝金の価値よりも価値のある講座をするのが大切だと思ったので
当日の講座が始まる直前まで
資料や講演の準備をしましたので告知はしませんでした。

謝金の額面は講座が終わって自宅に帰るまでわかりませんでしたが
自分の持っている全てモノを使った講座ができたので納得しています。

講座の告知や宣伝については大学の方にお任せしていました。

たくさんの人の前で1人で90分という決まった時間で和傘の話をする
という講座に対する反応があるのか不安だったのですが
公開講座というアクションに対するリアクションが
教授や参加者の皆様より

「今まで聞いた講演の中で一番面白かった」
「今度は国際交流科の学生全員に聞かせたい」

という声を聞くことができ
質疑応答ではたくさんの質問や意見を聞くことができたという
リアクションがあったのでよかったです。

講座が終わってからも
写真の撮影や和傘についての質問や意見などたくさん聞くことができ
講座が終わってからの懇親会でも
興味深いお話しをお聞きすることができて
無事に講座が終わってホッとしています。

心地よい緊張と良い刺激があった久留米大学公開講座でした。

2017年9月22日

お問い合わせはこちらからどうぞ。

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材料の事と和傘の世界をちょっとだけ。

DSC01670

和傘製作のときに使うタピオカ糊です。

タピオカ粉と水を鍋で煮てよく混ぜると出来上がり。
水飴くらいの硬さだったり重湯くらいの硬さでつかったりします。
タピオカ糊は使う箇所によって柿渋や水で希釈します。

いい雰囲気の写真ですがコンパクトデジタルカメラで撮影して
Apple社から配信された OS X  Yosemite 10.10.3 に付属されていた
写真というアプリケーションで写真を加工しました。

次は和傘の世界の事。

最近はあれもこれもそれもと注文や依頼があり

頭の中の整理をするのが大変です。

「番傘 蛇の目傘 日傘 舞踊傘 大傘」

と和傘は多種多様で様々な種類や大きさがあります。
写真はサイトで紹介していますのでよかったら見てね。

それぞれの和傘にはそれぞれの材料や技術と少しの知識が必要です。
一番効率よく量産できるのは
たくさんの人で少しの種類の傘を製作すると技術と生産量があがります。

ひと昔前の和傘の世界の話ですね。

ボクは決まった種類の傘を製作しているというより
さまざまな種類のいろんな寸法の傘を製作していて
材料確保がとても厳しく量産できていない状態です。

決まった種類の傘を量産すると他の種類の傘の製作が困難な状態になり
さまざまな種類の傘を製作すると和傘は量産できないのです。

現在、和傘の世界は材料屋さんを含めた和傘製作に関わる人が過去に比べて圧倒的に少ないのです。

和傘の世界が20年後には存在するのでしょうか?
一人ですべての種類の傘を量産できる人は日本にいるのでしょうか?

誰か知っている人がいたら教えてください。
時間の経過と共に先が細くなっていく和傘の世界。

ボクはまだ世の中に求められているので和傘を製作しています。

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「雪が降る傘」と「星が降る傘」

あれだけ寒かったのに、
心配しなくてもずいぶんと過ごしやすい日和になりましたね。

異常気象や地球温暖化という言葉をつかっていた人は
どこに行ったんだろう?

番傘の蘊蓄(うんちく)を傾けます。
蘊蓄はうっとおしいかな?

過去に梅雨に傘をおろすというエントリーでも番傘の蘊蓄を傾けています。
興味があったら見てみてね。

さて、本題です。

番傘には和紙を張ります。
和紙のまま雨の日につかうと和紙が雨に濡れて和紙が破れます。
金魚すくいをイメージしてもらうとわかりやすかな?

で、雨の日に使って破れる番傘は使っていると雨に濡れるので
和紙に防水処理をします。

和紙の防水処理は荏油や亜麻仁油や桐油等の植物性油と鉱物油をブレンドして
そのブレンドした油(油性塗料といってもいいですね)を和紙に含ませます。
和傘製作の工程の1つの油を拭くという工程ですね。

そのブレンド油を含んだ和紙が乾燥すると番傘に斑点が出てきて
斑点の様子もブレンド油の調合でさまざまな斑点が出てきます。

その斑点の様子を

「星が降った傘」
「雪の降った傘」

と言います。

現在はそういった番傘の目利きをされる方はいらっしゃらないですし
そういった斑点が出ている番傘を製作している傘屋さんを見たことはありません。

文章にするとわかりにくいのですが、
暗い雨の日にその斑点のある傘をつかうと

番傘に星や雪が降ったような感じがするのです。

もちろん実際は星や雪は降っていないのですが
和傘全盛の時代は
番傘を購入する時にはそういった傘を選んで購入していたそうですよ。

わかりにくいけど星が降った傘を写真で公開。

DSC00945

写真は張替の依頼があった番傘ですが星が降ったような感じが
イメージできます?

この星や雪の降った傘を見ると
世の中に番傘が必要なのかいつも自問自答しています。

A photograph is taken by Camera Sony DSC-RX100 

コンパクトデジタルカメラを買った。

生まれて初めて新品のコンパクトデジタルカメラを買いました。
SONY製のDSC-RX100というコンパクトデジタルカメラです。
Amazonで48800円でした。

説明書も読まずに、
ちょっと触った感じですが、
パノラマ撮影やモノクロ撮影などたくさんの機能がついているようで
多機能を使いこなせない感じがしてます・・・・・・・

本体や別売の純正カバーの質感には満足しています。

購入したDSC-RX100の使用感がまだ書けないので
ボクのデジタルカメラ履歴を簡単に紹介。

そういえば、初めてデジタルカメラを持ったのは何年前だろ?

たしかまだ福岡にいた頃に
先輩から中古のパソコンとプリンターと中古の富士フイルム製のデジタルカメラを買ったなぁ〜
バッテリーは単三電池を四本で記憶媒体がスマートメディア?だったかな
容量は2Mだったような気がする。
でも、初めて持ったデジタルカメラだったから妙にうれしかったのを覚えています。
バッテリーの消耗が早かったので電池の購入代金がやけにかかってました。
1枚の写真のデーターが130Kくらいじゃなかったかな。

それからオークションで
中古のDSC-F707というSONY製のデジタルカメラを買いました。
今も現役で使っています。

このデジタルカメラは撮影の時にレンズの角度を自由に変えることができたり、
レンズ部分がしっかりと持つことができ、修理履歴が2回というお気に入りのデジカメです。
修理代金は毎回定額の18000円です。
記憶媒体はメモリースティックで容量は128Mが上限です。

今回購入した、DSC-RX100は記憶媒体は2種類選択できるのですが
ボクはEye-FiというSDカードを購入しました。
容量は8Gです。
WiFiを利用して無線でデーターをパソコンへ転送出来るという優れものです。

このデジタルカメラはAmazonで購入して
撮影した写真は無線でボクが持ってる、
Macbook ProやiPhoneへ転送できるという
人間と人間のコミュニケーションの必要がないという環境なのですが、とても便利な世の中ですね。

なにか一つ便利になれば、
なにか一つ大切なものが無くなっているような気がします。

でも、その便利さの全てをボクは否定したくはないんですよね。

楽しい未来がくるといいな。

最初に持ったデジタルカメラで撮影した写真です。
和傘製作の工程の一つで

「骨揃え」

という作業です。

DSCF0007
2004年 鳥取県西伯郡淀江町にて撮影

塗料の保存

ボクが和傘製作で使用する
油性塗料のカシューは1キロ缶か500グラム缶で購入しています。
無駄を出したくないし、コストの事を考えると今のところ500グラム缶がベストのようです。

カシュー色見本帳。

東日本大震災後は塗料屋さんからのカシューの納品ががしばらくおくれてた時期もありましたが
現在は問題なく購入できます。

番傘の注文がたくさんはいったときには四キロ缶で購入したこともありますが
最近は一キロ缶での購入がほとんどですね。

和傘の製作本数が少ないとカシューという塗料はたくさん使用しません。

余ったカシューは保管しておきます。
しかし、塗料というのは乾燥します。

あー塗料がカゼひいたーっ
もったいなーい・・・・・・

とならないように考えたのが・・・・・

これ。

おたふくソースの空き容器。
それからケチャップやマヨネーズの容器でもいけますよ。
塗料を小分けできるので便利です。

中身はカシューの黒。
逆さまにおいて塗料が空気に触れないよう保存します。

欠点はお好み焼きを食べるときに
おたふくソースを見てもカシューにしか見えなくなります・・・・・

All photograph is taken by iphone.