2尺6寸野立傘の張替修理

10年前に張替修理をした野点傘の張替修理の依頼がありました。

今回の修理の内容は

・ロクロ修理27箇所
・親骨修理(傘の外側の傘骨)13箇所
・子骨修理(傘の内側の傘骨)9箇所
・ハジキ調整(留具)
・傘骨染色及びカシュー塗装

お預かりした野立傘の壊れている部品は供給がない状態で修理と張替依頼でした。

ロクロという木工製品です。

写真ではわかりにくいのですが
櫛状の所が壊れて糸が見えている所が壊れていて全部で27箇所が欠損などで壊れていました。

人間でいうと大手術です。

傘骨も骨折箇所が多数あってかなりの労力を使いましたが
なんとか修理と張替が終わって無事納品。

お客さんも喜ばれていて安心しました。

「どうにかする」

という気持ちでする仕事もありますが
そういう気持ちだけではできない仕事もあるみたいです。

世の中ではお金で解決できる問題もありますがお金の解決できない問題もあるみたいですが
ボクはお金で解決できない問題をどうにかして解決するのが好きみたいです。

傘屋 崇山 Kasaya Souzan では他店購入分の修理、張替は受付していません。
和傘の修理や張替等の相談はまずは購入された販売店へご相談ください。

購入した傘屋さんが廃業されていたり
思い入れのある和傘についてはお話をお聞きした後に
傘を見せていただき診断した後に
見積もりを提案させてもらい修理や張替の受付をしています。

お問い合わせはこちらからどうぞ。

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番傘の納品と野点傘の張替

番傘を納品しました。

最後に番傘を納品したのがいつだったのかわからないくらい久しぶりに番傘を納品しました。

絵入れのデザインはある程度のイメージが先方にあったようなので
妻のサッコにデザインの修正と絵入れを依頼。

ギャラは時給1000円。

無事納品完了。

あと10年前に張替と修理をした野点傘の張替の依頼がありました。

和紙を全部剥がして
あちこち壊れた傘骨を修理してある野点傘を点検していると10年前にボクに

「よ〜修理したね」

と言ってあげたい気持ちになりました。

今回は前回よりも複雑な修理になりそうですが
10年前のボクに今のボクはなんと言われるのか想像しながら作業をしようと思います。

あと別件で野点傘の張替や舞踊傘の製作依頼など様々な和傘の製作で忙しい夏になりそうです。

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7年前の番傘

今日はメールや電話での打ち合わせをしました。
打ち合わせが数件続いたので大変だったのですが
メールや電話でのやりとりでその人のお人柄がだいたいわかるような気がします。

遠方の方とのやりとりが簡単になった
便利な世の中ですね。

便利なモノがひとつ増えると
何か大切なモノがひとつ無くなってしまうような気がしますが
大切なモノを忘れないようにして
便利なモノを使いたいですね。

数日前にボクが7年前に製作した番傘の修理の依頼がお手紙と一緒に東京から届いたのですが
お預かりした番傘を見ると当時の心境を思い出し
その心境と今のボクを重ねると
今のボクにはある意味で製作することができない
よくできた番傘で逆に7年前の自分から今の自分には何と声をかけられるだろうなぁ〜
と想像しながら届いた番傘の点検をして見積書を作成し
お客さんからのお手紙の返事を手紙にして見積書と一緒に郵送したのですが
今日はお客さんからのお返事が葉書で届きました。

番傘の修理の依頼者のお客さんとはお会いしたことがないのですが
どんなことをしてもお客さんの気持ちにはお応えしたいです。

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つまおれ傘の修理と張替(3尺5寸70軒と3尺60軒)

つまおれ傘の張替が無事に終わり納品しました。

正式名称は「儀典用端折長柄傘」というそうです。

まずは3尺5寸70軒のつまおれ傘の修理と張替について。

愛知で製造されたとても大きなつまおれ傘のでした。

とても大きなロクロや傘骨で木柄も特徴的で珍しく
仕上がりもとてもきれいなつまおれ傘でした。

今回の修理内容。

親骨(外側の傘骨)のつまおれの骨折が9ヶ所。
小骨(内側の傘骨)の折れかけが2ヶ所。
天ロクロと手元ロクロの目欠がそれぞれ1ヶ所ずつ。

つまおれの骨折は新たにつまおれを製作して継ぎ直して
小骨(内側の傘骨)は和紙で補強しました。

ロクロの目欠については
目落ちした箇所をエゴノキで継いで和紙で補修。

木柄と継柄は漆の大きな剥離もなかったので現状のままアルコールで磨き上げ
真鍮製の部品については研磨剤で磨き上げて新品同様に。
藤については新たに巻き直しました。

和紙は厚手の和紙で張替。

和紙を防水油で防水加工をして
傘の補強と装飾を絹糸で施し
布製の傘袋にいれて納品。

つまおれ傘は天満宮の神幸祭でつかわれるそうで
壊れて破れていた
つまおれ傘が新品同様になり
宮司さんはとても喜んでくれ神前へ納めていただきました。

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次は3尺60軒のつまおれ傘の修理と張替について。

40年前くらいに製作されたつまおれ傘で
京都か岐阜で製造されたつまおれ傘でした。

今回の修理内容。

つまおれの骨折4ヶ所。
小骨(内側の傘骨)の補修23ヶ所。

つまおれの骨折は前述した3尺5寸のつまおれ傘と同様に
つまおれを新たに製作して継ぎました。

小骨(内側の傘骨)については交換を考えましたが
骨折しているような状態ではなく目欠でしたので
和紙で補修しました。

ロクロや木柄、継柄は漆の大きな剥離や破損が見られなかったので
アルコールで拭きあげて仕上げました。

藤は切れていたので新たに藤を巻き直し
真鍮や銅製の部品については研磨剤で研磨したので新品同様になりました。

和紙は厚手の和紙で張替。

和紙を防水油で防水加工をして
傘の補強と装飾を絹糸で施し
布製の傘袋にいれて納品。

このつまおれ傘は野点の席でつかわれるそうです。

納品に行ってきたのですが
学校の生徒が製作したお茶碗でお抹茶がいただけるそうで
お抹茶をいただいた後はつかったお茶碗もいただける
というお茶席に使われるということでした。

学校で行われるお茶席が終わってからも
このつまおれ傘は先生の自宅でのお茶席で使っていただけるそうです。

こちらの話も嬉しいかぎりです。

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今回のエントリーでは作業内容についての写真を公開していませんが
こちらのエントリーでつまおれ傘の修理と張替の作業工程の写真を公開しています。

傘屋 崇山 Kasaya Souzan では他店購入分の修理、張替は受付していません。
和傘の修理や張替等の相談はまずは購入された販売店へご相談ください。

購入した傘屋さんが廃業されていたり
思い入れのある和傘についてはお話をお聞きした後に
傘を見せていただき診断した後に
見積もりを提案させてもらい修理や張替の受付をしています。

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配達

お昼から熊本市内へ息子の峻平と2人で配達に行ってきました。

お客さんのところへ納品に行ったのですが
数本の傘を持って行っていくのに1人で持ちきれなかったので息子に手伝ってもらいました。

傘を運んだりボクを手伝っている様子をお客さんが見てくれていたようで
その様子を褒められたり
お客さんから質問されて息子の峻平が答えている様子を見ていると
緊張しているんだろうなぁ〜というのが伝わりました。

そういう緊張は大切だと思うし
そういう緊張を息子に与えていただいたお客さんに感謝です。

息子の峻平がボクとお客さんとの会話に鼎談的に入ってきたりしたので
ちょっとびっくりしましたがとてもうれしかったです。

緊張して疲れたようで帰りの道中は車中で寝ていました。
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息子の峻平とのギャラの契約は

「帰りに冷たくて美味しい食べ物を食べる」

だったのですが

お客さんから冷たいお茶やアイスクリームをいただいたので喜んでいたのですが
ボクは息子にギャラを支払っていないのでギャラは明日に支払います。

今日はありがとね。

お客さんもボクの製作した傘を喜んで購入してくれたのでよかったです。

やったぜ。

帰りに娘のひふみを保育園に迎えに行き無事に帰宅。

自宅へ帰ると荷物が届いていて舞踊傘の張替の依頼がありました。

電話で打ち合わせをしたのですが張替というより復元です。
とてもよくできた綺麗な舞踊傘の復元なのですが

「さぁどうしよう」

というのが素直な気持ちです。

機会があればブログで公開しますね。

それから晩御飯を食べて娘と息子と夕涼みの散歩。
散歩の途中で娘のひふみが寝ちゃったので
自宅の蚊帳の中の布団に寝かせました。
IMG_7221

熟睡の娘。

保育園へ正式に入園してまだ登園3日目なので疲れちゃったんだろうね。

明日は運動会。
妻のサッコは準備に大忙し。

ボクは朝から運動会の準備をしないといけないようです・・・・・・

そんなこんなの1日でした。

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2尺3寸差しかけ傘の張替と修理

2尺3寸差しかけ傘の張替と修理が終わりました。

お客さんに見積書を提出したのが
平成27年10月19日で納品が平成28年3月28日でしたので
おおよそ5ヶ月お待たせしました。

神事や祭事で雨が降ると
この2尺3寸差しかけ傘が使われるそうですが
平成28年4月1日に執り行われた神事では
熊本地方の天気はぐずついた天気で雨のち曇りだったのですが
きっと無事に神事が執り行われたと思います。

よかった。

さて本題です。

2尺3寸差しかけ傘と書いていますが
実際は神職の方がご自身で使用される傘なので誰かに差しかける傘ではないのです。

どちらかと言えば番傘に近くて
神職の方が烏帽子や装束を身につけられるので
一般的な和傘より木柄が長くて傘の寸法が大きい和傘です。

最初に連絡があったのが平成26年11月10日で
お客さんのところへ打ち合わせに行ったのは平成27年7月15日でした。

最初に連絡があった日から納品までの期間を考えると1年5ヶ月間お待たせしたことになります。

打ち合わせのときには8本の傘が必要なので
お客さんが所有してある差しかけ傘の13本の中で再利用できる8本を
修理して張替えてほしいという依頼で
最初は新調も希望されてありましたが
新調するには予算の問題や部品の供給状態と納期の問題が発生したので
修理して張り替えるということになりました。

それでは、作業を公開します。

まずは点検と採寸。
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轆轤(ロクロ)の目数が54軒あり傘骨の長さは2尺3寸あって
持ち手が木柄になっていて一般的な和傘より大きく感じる和傘です。

現在の2尺3寸差しかけ傘のロクロの目数は50軒の骨数が主流なのですが
ヒトムカシ前の九州の傘屋さんでは
2尺3寸差しかけ傘のロクロの目数は54軒の骨数が主流だったようです。

和傘全盛の時代には産地によって様々な特色の材料が使われていたのがわかります。

預かった13本の傘なのですが
同じように見える2尺3寸差しかけ傘でも3種類の寸法の材料で製作してありました。
とても些細なことですが
ロクロの種類が3種類で大きさ(直径)が1分(3㎜)違っていたり
傘骨の寸法や和紙の張り方もさまざまな方法で製作された2尺3寸差しかけ傘でした。

3種類の寸法で製作された2尺3寸差しかけ傘について簡単な時代考察をします。

お客さんは13本の2尺3寸差しかけ傘を所有されたありましたが
傘を購入したのが3回あったと思います。
材料や製作方法、お客さんのお話、材料屋さんとの打ち合わせなどを含めて考察すると
60年前くらいに数本購入。
40年前くらいに数本購入。
20年前くらいに4本購入。
と、20年くらいの間隔で必要な本数に応じて数本ずつ買い足されたじゃないかと思います。

お客さんが所有されてある13本の2尺3寸差しかけ傘には
修理や張替の形跡は見当たりませんでした。

作業の進行についてはいろいろと悩みましたが
材料の供給がない壊れた部品については修理して
材料の供給のある壊れた部品については修理や交換をして作業を進めました。

3種類の傘があったので
それぞれの傘を1本ずつ残すことにして作業を開始。

既存の傘骨や木柄、それからロクロやハジキ(留め具)を点検して
材料の発注と壊れている箇所の修理をしました。

手元ロクロと木柄は磨きなおして
汚れていた箇所もきれいになり新品同様になりました。
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ハジキ(留め具)は新品に取り替えました。
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次に木綿糸を使ってロクロと傘骨を組み立てます。

傘骨やロクロに和紙が張ってあるところは傘骨やロクロを修理したところです。
傘骨やロクロは竹や木材を使って修理したあとに和紙で補強します。

糸が見えているところは傘を広げて和紙を張る前に傘骨を修理するところなので
ヒトメでわかるように目印で糸を結んでいます。

修理した場所がわかりますか?
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木綿糸を使ってロクロと傘骨を組み立てたら和紙を張っていきます。
今回は和紙の張り方を悩みました。

前述したように
パッと見た感じは
どの傘も同じ差しかけ傘なのですが
様々な大きさの材料で製作してあったり
大きな和紙を張り合わせている傘や
小さな和紙を何枚も張り合わせた傘があったのですが
今回の和紙を張る作業は段張(継張)という方法で作業をしました。
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この方法で和紙を張るのはとても手間がかかるのですが
この方法で和紙を張ると和紙の「ムダ」がとても少ないです。

このような方法で和紙を張る機会も少ないので
技術の向上と技術の保存を考慮して作業を進めました。

知識を持っていても
実際にやってみて経験しないと理解できませんし
見てるだけや知ってるだけでは現実は変わりません。

ごちゃごちゃとネット上で発言しても技術が向上することはありません。

技術が向上するならボクは何時間でもパソコンの前に座りますし
技術が向上するならボクは何時間でもスマートフォンの画面をいじっているのですが
そうじゃないみたいなので技術向上と保存のために段張(継張)という方法で和紙を張りました。

話が蛇足しましたので元に戻します。

和紙を張ったあとは
和紙の処理や塗装の準備をします。

和紙の処理や塗装の準備ができると
和紙に防水性の植物油を含ませて乾燥させます。
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天気のいい日に数日間天日干しをして防水油を乾燥させた後は
カシューという塗料を塗装して乾燥させます。

和傘の工程で一番時間がかかる乾燥という工程です。

木柄は石突がついていないので磨耗した状態だったので5mmくらい切って新品同様になりました。
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カシュー塗料が乾燥したら
最後の点検と袋に入れて納品の準備。
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完成はこんな感じです。
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最後に。
DSC02928

この写真は前述したように資料と技術の保存として
お客さんにお返しした2尺3寸差しかけ傘なのですが
おおよそ50年〜60年前に製作された傘です。

ほとんどの和紙が破れている状態なのですが
軒(傘を開いた時の外側)と天ロクロ付近(傘を開いた時の上部)の和紙は
破れずに残っていました。
和紙が破れずに残る理由の昔の職人さんの技術と知恵は素晴らしいと思います。

All photograph is taken by Sony DSC-RX100.

傘屋 崇山 Kasaya Souzan では基本的に他店購入分の修理、張替は受付していません。
和傘の修理や張替等の相談はまずは購入された販売店へご相談ください。

購入した傘屋さんが廃業されていたり
思い入れのある和傘についてはお話をお聞きした後に
傘を見せていただき診断した後に
見積もりを提案させてもらい修理や張替の受付をしています。

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三段傘の納品と修理

歌舞伎・日本舞踊の演目の一つの

「汐汲」

で舞台小道具のひとつで舞踊傘の三段傘が使われます。

その舞踊傘の三段傘(三蓋傘)の納品が無事に終わってホッと一安心。

新調の依頼もあったのですが三段傘の修理依頼もありました。
過去にボクが製作した三段傘と岐阜で製造された三段傘の修理です。

ボクが製作した三段傘の修理ですが
ハジキのところから柄竹が割れていたので柄竹を交換しました。

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岐阜で製造された三段傘は
下段の傘骨が折れていたりロクロが壊れたり
上段と中段の傘は軒紙や絹が数カ所破れていて
傘骨が数カ所壊れていて
三段傘の開閉ができない状態でした。

新調を勧めましたが
お稽古用が必要とのことで
下段の傘と継柄と柄竹の交換をして
上段と中段の傘の軒紙と絹を簡易補修して
上段と中段の傘骨を修理しました。

ロクロも塗装したので
ほぼ新品同様になったのですが
上段と中段の絹の色が褪色して
下段の傘の絹の色が微妙に違うのがわかりますね。

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ボクは基本的に他店購入分の修理や張替を受け付けていませんが
信頼とモラルのある取引先のお客さんなので気持ち良く作業ができました。

All photograph is taken by iphone.