舞踊傘の修理の打ち合わせ

今日は久留米にロクロという和傘の材料を製造する機械とロクロの勉強に行ってきました。

機械のカラクリ?
これは目にすると忘れない。
百閒は一見にしかず。

いや、目にしただけでは理解できないと思います。
ちゃんとした説明が必要です。
人間の手でもつくることの出来るロクロもあるという話も聞きましたが

すげぇよ!!

和傘のロクロの機械って。

人間の手でつくる事のできないモノをつくる事ができます。

ロクロ屋さんと傘屋さんの関係やロクロについて等の話を聞くことができて
とても勉強になり後学となりました。

今回はネット上やメディア等での公開はしないとの条件で動画で記録させてもらったので
記録は公開できません・・・・

最近は情報の共有という便利な言葉を使って
他人のプライバシー等の情報を本人の許可無く公開する行為がよく目に入りますよね。
自分の情報を公開するのがネット上でのモラルでありリテラシーかと思います。

今日、お会いした方はとても丁寧な感じのする方で
きっと製作していたロクロも丁寧な仕上がりだったと思います。

「自分の必要なモノは自分でつくる」

という感じの方でした。

これって大事だよね。
こういう感覚の時って自分の中でわかっているような気持ちになるんだけど
わかっているような感覚だから
すぐに忘れちゃう・・・・・

和傘の材料のロクロについてはまた次回に紹介しますね。

帰りに八女でお昼ごはんを食べてきました。

うどん屋さんでごぼう天うどんとおいなりさんを食べてきたんだけど美味しかった。
女性スタッフの対応が気持ちがいい。

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今日は裏口から入店。

自宅に戻り新聞記者さんと打ち合わせが終わって
電話で舞踊傘の修理の打ち合わせ。

修理するのがよいのか
張替するのがよいのか
新調するのがよいのか

悩んでいます。

先方は修理についてはボクに一任していただけるようなので
ますます悩みは深くなります。

予算の問題もあるし・・・・・・

最近は悩んだときには
考えをそのまま一晩寝かせて
朝一番の感覚を大切にして問題解決の方向を決定しています。

ってことでもう寝ます。

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ノロノロ運転

最近は、材料、需要、販売、資金の問題などで和傘の製作本数が
ボクが傘の仕事をするようになってから最高に少ないです。
でも、まだ立ち止まるわけにもいかないので
ノロノロ運転で進んでいます。

何年前の里歌なのかは知らないのですが
山鹿では
「山鹿灯籠は骨なしなれど 骨が自慢の山鹿傘」
と歌われていたそうです。
その時代の蛇の目傘の張替の依頼があり、天日干しという作業をしています。

この傘の骨は自慢できる骨だと思いますし、
この傘のような傘骨がつくれる材料と職人さんは
現在、日本でいないと思います。

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野点傘の修理と張替

野点傘の修理と張替が終わりました。

お客さんに見積書を郵送したのが2012年6月26日だから約1年お待たせしました。

作業内容を公開します。

まずは張替をする傘の詳細を説明しますね。

轆轤(ロクロ)の目数が70軒あり傘骨の長さは三尺五寸と大きな野点傘です。
和紙の色が合っていないところや、補修したあと、
傘骨も修理した箇所が見られて
和紙の風合いからすると
そんなに古い傘ではありませんでしたが
何度も使用している感じでした。
傘が転倒したようで傘骨が15本折れていて補修は不可能な状態でしたので
痛んだ箇所を全て修理して張替をしました。

それでは作業の工程です。

まずは、カッターで傘骨から和紙を切り取りとります。
切り取ったあとは、傘骨に和紙が残った状態になるのですが、
その傘骨をお湯につけておくと、和紙がきれいに剝離するので
残った糊などをきれいにして、張り直せるように準備をします。

野点傘の張替には野点和紙が必要です。
野点傘のために特別に漉かれた和紙です。

野点和紙を漉かれてある方に電話をかけたところ廃業されたのことで
材料の準備で困っていたのですが、
岐阜の和傘製作所の株式会社坂井田永吉本店の坂井田さんに相談したところ
快く材料をわけてくださいました。

この場をかりてお礼申し上げます。
ありがとうございました。

和紙の準備が整ったので、骨折した傘骨を修理します。
話が蛇足しますが
「骨を折る」という言葉は傘屋さんの言葉だそうですよ。
他にも和傘に関する言葉ってたくさんあります。

また機会があれば紹介しますね。

骨折した傘骨を継ぎます。
この野点傘の傘骨は孟宗竹のようですが
ボクは隣町の八女の竹材店から購入してきた真竹のモトを使って修理しました。

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端折の所はこんな感じで骨折していたので
新たに製作した傘骨で壊れた傘骨を継いで修理します。

製作した傘骨
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こんな感じで傘骨を継ぎます。
傘骨を継いだら和紙で補強します。
人間の骨折で例えると和紙はギプスですね。
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ウチのウラにも竹林はあるのですが今回は竹材店から購入した真竹を使用しています。

壊れたところは糸でも修理します。
この糸は畳をつくるときのイグサを織る?のに使用する糸です。
すごく丈夫な糸です。
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修理が終わったので
次は「つなぎ」という工程です。
片撚りの木綿糸で傘の外側の骨「親骨」と内側の骨「小骨」を組み立てます。

傘骨を修理した所がまだ新しいのですぐにわかります。
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それから傘屋さんらしい作業の「張り」という作業です。
野点和紙を張っていきます。
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それから「天井張り」という作業です。
傘の最上部に和紙を張るのですが、
「張り」の作業と同じように平たく張ると傘の開閉が出来ず
無理に開こうとすると破れてしまいます。
建築でいうトイのように骨と骨の間に溝ができるように張っていきます。
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張り終わったら傘を畳み
糊や柿渋を使って次の工程のシタゴシラエをしておきます。

次の作業は和紙に植物性の油を含ませて天気のいい日に干します。
「天日干し」という作業です。
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待つのも仕事なのです。

天気が良くても天日干しの準備ができていない時は
「天気がもったいないなぁ」
といつも思います。

天日干しの次は「漆がけ」という作業で外側の親骨の上だけに漆を塗装します。
昔は漆をつかっていたようですが、
ボクはカシューという漆系合成樹脂塗料を使用しています。
昔は漆場という作業場があったそうですよ。
九州の傘屋さんに聞いた話によると漆場には
漆に埃が混入しないようにいろんな工夫がされてあったそうです。
この漆がけという作業は何度しても緊張する作業です。
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次は「糸飾り」という作業です。
「かがり」とか「糸かがり」とも呼ばれています。
下轆轤(手元轆轤)のほうから作業を進めます。
作業途中の写真ですが赤と黄色の糸が新しいのがわかります?
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この「糸飾り」という工程は
補強の意味があります。
建築でいうスジカイですね。

和傘の種類にもよるのですが、
この「糸飾り」がないと赤ちゃんの首がすわっていないような状態で
傘全体がぐらんぐらんと不安定な状態です。

先人達の「知恵」ですね。
敬服するしかありません。

この作業は順番を間違わなければ誰にでも出来ます。
蛇足ですが、
去年の夏にどうしても海に遊びに行きたかったので
時間短縮のためにウチに遊びに来てた友達に手伝ってもらったこともあります。

和傘の作業に使う針は尖っていなくていいので全ての針の針先を折っています。

下轆轤(手元ロクロ)は欠けや漆の剝離などがなかったので修理をする必要がなかったのですが
汚れを落としたのでピカピカになりました。
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継柄と木柄は漆が剝離していたのでカシューで塗装しなおして
真鍮や銅製の石突は磨いてピカピカになりましたよ。
藤は切れていたので巻き直しました。
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こんな感じで作業終了です。
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あとは修繕した日付が入った袋にいれて納品。
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野点傘は和紙が張ってあるので破れることがあったり、
今回のように風で倒れたりして骨折したりします。
和傘は繊細なつくりなので壊れることもありますが壊れにくいモノです。
和傘が壊れることがあっても何度でも修理が可能です。

このブログを読まれている方は
「和傘 張替」や「番傘 張替」「野点傘 修理」とか「張替」という
キーワードで検索されているようなので
ボクもGoogleで検索してみました。
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ネット上では

「和傘は修理可能です」

「和傘は修理をするより新品を買った方が早くて安い」

という製造者や販売店がありました。

「和傘は修理するより新品を買った方が早くて安い」
という販売店は自店で和傘を製作していないということはわかります。
商品を仕入れて販売している販売店なんでしょうね。

「和傘は修理可能です」
という販売店や製作者は
張替や修理は予算や材料や納期の問題があるので
「和傘は修理可能です」としか言えないのは、ボクには理解できます。

今回の野点傘の張替と修理はお預かりしている期間が1年という長期間でしたが
「新品を購入したほうが安い」という金額ではありませんでした。

傘の破損具合によっては新調と同じくらいの修理代金をいただく場合もありますが
それでもお客さんから張替や修理をしてもらいたいという依頼があります。

ボクは

「和傘は修理するより新品を買った方が早くて安い」

とお客さんに言ったことはありません。

修理で預かる期間が長期間だったり、修理費用が新品とおなじくらいの代金になっても
修理をするか、修理をしないかを最後に決めるのはお客さんだし

修理をするかしないかを販売店や製作者が決めてしまうことは
和傘の世界が無くなってしまう方向に進んで行くことだと思います。

和傘をつかうのは和傘製作者でも販売店でもなくお客さんです。

傘屋 崇山 Kasaya Souzan では他店購入分の修理、張替は受付していません。
和傘の修理や張替等の相談はまずは購入された販売店へご相談ください。

購入した傘屋さんが廃業されていたり
思い入れのある和傘についてはお話をお聞きした後に
傘を見せていただき、診断した後に
見積もりを提案させていただき、修理や張替の受付をしています。

お問い合わせはこちらからどうぞ。

舞踊傘の柄竹交換

Twitterではつぶやいていたんだけど
舞踊傘の柄竹の交換の依頼を受付して無事に納品が終わりました。

舞台で使用する期日が迫っていてお困りの様子だったのですが納品が無事に終わってよかったです。

柄竹を交換した後の舞踊傘。

おーなんかいい感じで写真が撮れたぞ。

この写真の傘はボクが製作した舞踊傘ではありません。

ボクは柄竹を交換しただけです。
ウソじゃないです。
本当です。

まぁさておき。
舞踊傘の柄竹交換の話。

柄竹っていうのは和傘の部品のひとつで和傘の持ち手で、
竹製だったり、大きな野点傘は木製だったりします。

まずは、女竹(メンチクとかメダケとかシノと九州では呼ばれています)を準備します。
準備の様子はこのエントリーで紹介。

竹って節のところであっち向いていたり、こっち向いていたりするので
乾燥させて
熱を加えて真っすぐにします。
こんな感じ。

ちなみに写真に写っている矯木という手道具で竹を真っすぐにします。

この作業はカンテキと言ってちゃんとした専門の職人さんがいて
普段は大分のカンテキ職人さんにお願いしています。

実際の作業現場はすごいですよ。
ゴーっとガスで熱を加えて大きな矯木で長くて節々で曲がった竹をグニャグニャと矯正。
職人さんは太い竹から細い竹まで油抜きしてあるさまざまな竹をカンテキをしています。
真っすぐになった竹を確認している職人さんの目がかっこいいです。

職人さんに聞いた話では弓矢や釣り竿を製作するときは
熱を加えて矯めるだけではなく竹に重しをぶら下げて真っすぐにするとか
聞いた事があります。
すごいよね。

んで、真っすぐにした竹の皮を剥ぎます。

製作する舞踊傘の柄竹は竹の皮がついたままですと
塗料や接着剤が乾燥した後に剝離するので竹の皮を剥ぎます。

あっそれから和傘の傘骨を製作するときにも竹の皮を剥ぎます。
和傘は竹でできた傘骨の上に糊や塗料を使用するので竹の皮を剥ぎますね。

傘屋小刀を使って、シァーっと竹の皮を剥ぐのですが
シァーっとうまく出来るようになるまでには
気持ちの悪い音と共にすごく親指が熱くなって痛い思いをしてました。
コツさえつかめば誰でも気持ちよく作業できます。

竹の皮の写真。

それから、カシュー塗装の下地処理をします。

んで、カシューで塗装して木製のハジキや藤や石突を取り付けて完成です。

この写真の柄竹は女持ちの和傘の柄竹。
交換した舞踊傘の柄竹と一緒に製作しました。

製作日数は乾期でも最短で4日はかかりますね。
それに出来上がった柄竹を交換してまたロクロ付近を和紙で補修したりカシューで塗装したら、
プラス2〜3日間は製作日数がかかります。
これが一本の舞踊傘の柄竹の交換です。

柄竹の交換は手間がかかり面倒ですし、
利益の事を考えると出来ません。

でもね、困っているんですよね。
どーしても和傘が必要な人が。

誰かが、なんとかせんといかんよね。

ボクがどうにもできないときには、
数少ない和傘職人さんがどうにかするしかないし、
その数少ない和傘職人さんたちがどーにもできないときは
和傘の世界がなくなる時だと思う。

ちなみに、このお客さんは
その数少ない和傘職人さんたちをまわりにまわって
ボクのところにやってきました。

その話は長くなるのでまた次回ってことで。

All photograph is taken by iphone.

ボクは基本的に他店購入分の修理、張替は受付していません。
和傘の修理や張替等の相談は
まずは購入された販売店へご相談ください。

購入した傘屋さんが廃業されていたり
思い入れのある和傘についてはお話をお聞きした後に
傘を見せていただき、診断した後に
見積もりを提案させていただき、修理や張替の受付をしています。