7年前の番傘

今日はメールや電話での打ち合わせをしました。
打ち合わせが数件続いたので大変だったのですが
メールや電話でのやりとりでその人のお人柄がだいたいわかるような気がします。

遠方の方とのやりとりが簡単になった
便利な世の中ですね。

便利なモノがひとつ増えると
何か大切なモノがひとつ無くなってしまうような気がしますが
大切なモノを忘れないようにして
便利なモノを使いたいですね。

数日前にボクが7年前に製作した番傘の修理の依頼がお手紙と一緒に東京から届いたのですが
お預かりした番傘を見ると当時の心境を思い出し
その心境と今のボクを重ねると
今のボクにはある意味で製作することができない
よくできた番傘で逆に7年前の自分から今の自分には何と声をかけられるだろうなぁ〜
と想像しながら届いた番傘の点検をして見積書を作成し
お客さんからのお手紙の返事を手紙にして見積書と一緒に郵送したのですが
今日はお客さんからのお返事が葉書で届きました。

番傘の修理の依頼者のお客さんとはお会いしたことがないのですが
どんなことをしてもお客さんの気持ちにはお応えしたいです。

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気持ちだけの仕事

番傘を納品しました。

2016年1月から打ち合わせを重ねていたのですが
2016年4月に発生した熊本地震の影響で
製作の依頼が見送られるかと思っていたのですが
熊本地震の影響によって依頼者の方の気持ちが変わることがありませんでした。

熊本の方の心意気を感じることができましたが
別件で熊本地震の影響で製作依頼のキャンセルもありました。

当然です。

話を戻して。

熊本地震による被害からの復興に気持ちだけですが手伝う機会をいただきました。

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ボクの製作する番傘ではお腹を満たすことも
地震で傾いた家や壊れた自然を元に戻すことはできないので
今回は本当に気持ちだけの仕事でした。

「熊本地震による被害からの復興に番傘?」

という矛盾している話だったのですが
お客さんの求める気持ちに応えるのには番傘の製作でした。

当事者にしかわからない気持ちに
熊本地震での被害を経験していないボクは
その気持ちに寄り添うことはできませんが
身の丈にあった自分にできることをしようという考えは変わらないので
気持ちだけの仕事でした。

お客さんからの気持ちは十分に伝わりましたので
ボクの気持ちを形にして相手に返すことが
言葉にできない時の言葉のない会話だと思っています。

「戦争はしたらいかん。
 戦争をしたら一番最初に要らなくなるモノは和傘や。
 平和だから和傘を作れるんやぞ。」

と教えてくれた和傘職人さんの言葉を思い出しました。

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最近の仕事

三段傘の修理が終わったので発送。
ほぼ新品同様になりました。

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4年前に納品させてもらった番傘の柄竹が虫に喰われたみたいで
ボロボロになっていたので柄竹の交換。
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蛇の目ずらし。

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博多献上柄。

次の作業のダンドリをしているのですが
ダンドリがうまく進まずに時間ばかりが経過しています。

問題をほったらかしていても問題は解決しないので
問題を解決するために
毎日が「どうしよう」の連続です。

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志ら浪と博多献上柄の番傘

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演目「志ら浪」で使われる舞踊傘と
贈答用で使われる博多献上柄の番傘と2尺番傘無地の納品が無事に終わりました。

「志ら浪」には正式な演目名があると思うのですが
勉強不足のためにボクは知りません・・・・・
演目の内容は5人の泥棒の話だったと思います。

志ら浪で使われる舞踊傘は和紙の仕上がりで納品しました。
あとは提灯屋さんが文字入れをして完成です。

博多献上柄の番傘は独鈷と華皿を1本ずつと
2尺番傘無地を納品しました。
それぞれの番傘は柄竹が虎焼になっています。

製作した番傘の写真は撮影していないのでWebサイトで紹介。
博多献上柄はこちらで2尺番傘無地はこちらからどうぞ。

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材料の事と和傘の世界をちょっとだけ。

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和傘製作のときに使うタピオカ糊です。

タピオカ粉と水を鍋で煮てよく混ぜると出来上がり。
水飴くらいの硬さだったり重湯くらいの硬さでつかったりします。
タピオカ糊は使う箇所によって柿渋や水で希釈します。

いい雰囲気の写真ですがコンパクトデジタルカメラで撮影して
Apple社から配信された OS X  Yosemite 10.10.3 に付属されていた
写真というアプリケーションで写真を加工しました。

次は和傘の世界の事。

最近はあれもこれもそれもと注文や依頼があり

頭の中の整理をするのが大変です。

「番傘 蛇の目傘 日傘 舞踊傘 大傘」

と和傘は多種多様で様々な種類や大きさがあります。
写真はサイトで紹介していますのでよかったら見てね。

それぞれの和傘にはそれぞれの材料や技術と少しの知識が必要です。
一番効率よく量産できるのは
たくさんの人で少しの種類の傘を製作すると技術と生産量があがります。

ひと昔前の和傘の世界の話ですね。

ボクは決まった種類の傘を製作しているというより
さまざまな種類のいろんな寸法の傘を製作していて
材料確保がとても厳しく量産できていない状態です。

決まった種類の傘を量産すると他の種類の傘の製作が困難な状態になり
さまざまな種類の傘を製作すると和傘は量産できないのです。

現在、和傘の世界は材料屋さんを含めた和傘製作に関わる人が過去に比べて圧倒的に少ないのです。

和傘の世界が20年後には存在するのでしょうか?
一人ですべての種類の傘を量産できる人は日本にいるのでしょうか?

誰か知っている人がいたら教えてください。
時間の経過と共に先が細くなっていく和傘の世界。

ボクはまだ世の中に求められているので和傘を製作しています。

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花火

夏といえば花火。
山鹿では菊池川で花火大会があります。

あと、夏といえば
山鹿では山鹿灯籠踊りもありますね。

暑い日が続く夏の夜にきれいな花火をみて
花火のドーンっていう音を聞くと
世の中の憂いや夏の暑い日々を忘れるもので
山鹿千人灯籠を観覧した人はわかると思うんだけど
あのゆっくりとした幻想的な風景をみると
花火と同じように世の中の憂いや夏の暑い日々を忘れるよね。

「世の中の憂いを忘れる一瞬」

っていいね。

山鹿灯籠踊りのステージに傘を飾ってあるのを見たことがあるのですが
山鹿で和傘を製作している本人としては
山鹿灯籠踊りのステージに傘があるの風景を見ると
とても後ろめたい気分になります・・・・・

ボクの仕事の和傘製作は雨のイメージがあるから
山鹿灯籠踊りの日と花火大会のときは仕事を休むようにしています。

雨が降ると山鹿灯籠踊りや花火は中止になっちゃうもんね。

ちょっとだけ真面目な話。

ボクの製作する傘を世の中の誰かに日常的に使ってもらうということをボクは諦めています。
諦めていても日常生活で和傘をつかいたいっていう方のリクエストには
もちろん応えていますよ。

和傘を日常生活品として使うことを
今の時代の日常生活に求めるのは違和感があるとボクは思っています。

山鹿で和傘を日常生活品としてつかっていらっしゃる方はもちろん知っていますし
日常生活で和傘をつかう事を否定している訳ではありません。

ボクは和傘製作者なのですが

「たくさんの人に和傘を知ってもらって、世の中に和傘を広めようぜ!!!」

という考えにはどこか違和感を感じるのです。

ボクは和傘製作者です。

世の中に求められて和傘を製作していますので
自分の製作する和傘について考えます。

久しぶりに夜の作業をしました。

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特殊で特急の仕事が入ったので
傘骨の二次加工。

わからないように誤摩化すのも仕事の1つ。

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番傘の繰り込みという作業をしました。

久しぶりなので忘れているんじゃないかな?と思いましたが
自転車に乗れるようになると忘れないように
番傘の繰り込みという作業は忘れてませんでした。

作業が終わって

「ボクの製作した和傘をみた人が世の中の憂いを一瞬でも忘れることができたらいいな」

と気がつきました。

世知辛い世の中。

世の中の憂いを一瞬でも忘れることができる瞬間があると
世の中って楽しくていいね。

最後に。

夏は暑いですね。
ってことで、近くの川で子供達とたまに遊ぶこともしてます。
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「坊」

メールのやり取りをテレビ情報番組のディレクターさんとしたのですが
ディレクターさんの希望とボクの出来ることが噛み合わなかったので
テレビ取材の依頼をお断りしました。

メールでのやりとりだったのですが
きちんとお互いが納得できる着地地点でよかったです。

テレビ番組取材依頼を断りましたので
何か仕事の事を公開したいと思います。

今日は以前より製作している三段傘の製作をしました。

ここここで過去に紹介したように
大小3種類の傘の傘骨全てに長い帯状の銀色の紙を張った
傘骨を傘の形になるように木綿糸で組み立てます。

つなぎという工程ですね。

つなぎが終わった傘はこんな感じ。

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大きさの違いがわかるかな?
様々な種類の木綿糸を使ってロクロに傘骨を組み立てます。

写真の柄竹は仮柄ですね。

これから下処理をして
和紙を張ったり染色した絹を張った後に3種類の大きさの傘を組み立てて
三段傘を製作します。

三段傘の写真はこちらで紹介しています。

そうそう、つなぎといえば
富山県の方より
「番傘の材料をわけてほしい」
と連絡があり番傘の材料を送ったのですが
ロクロと傘骨を組み立てる方法が解らないと連絡があって
組み立て方を電話で教えました。

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番傘のつくり方がわからなくっても作ってみようとする方には好感がもてるし
ピシャっとした番傘が欲しかったら職人さんの番傘を買ったらいいと思います。

でも

「あーだこーだ」って言う

めんどくさい人は嫌い。

過去のエントリーでも紹介した
Oさんのような方や富山の方のような人がこれから増えるとボクは思います。

Oさんについて気になる人は過去のエントリーを見てね。

https://yoshidatakashi.wordpress.com/2013/07/12/時代。/
https://yoshidatakashi.wordpress.com/2014/02/16/おみやげと相撲/
https://yoshidatakashi.wordpress.com/2014/04/29/鉛筆/

そんなこんなの今日の事でした。

最後に。

山鹿にこられた京都のお客さんから
「坊にあげて」
と息子に新幹線の記念カードをもらいました。

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カードはお弁当についていたおまけのようですが
おまけってお金で買えないからいいよね。

カードの裏を見てみると50周年記念カードだって。

「坊」

という言葉を聞いて材料屋さんの奥さんから

「ウチの主人はあなたのことを『九州の坊』って言っていて、
 主人はいつも『九州の坊に材料おくらななぁ〜』と言っていましたよ」

と材料屋さんの奥さんに言われた事を思い出しました。

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あごと手

ボクは福岡生まれの福岡育ちで27歳まで福岡に住んでたのですが
福岡に住んでいたときに言われていたのが

「あごはよかけん手ば動かせ」

理屈ばかりを口にして発言と行動が伴わない時に使う言葉です。

この言い回しは全国共通なのかな?

今日は、軒張という作業や和紙を裁ったり
電話で次の仕事の打ち合わせをしました。

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数えることができないくらいにたくさんの和傘をつくった人が
今の世の中に残っている数少ない和傘職人です。

ボクは何本くらい製作したのかなぁ〜?と考えましたが

「数えてみようかな?」

と考えることができる程度の製作本数です。

今までに製作した和傘の本数を数えたことがなかった・・・・・

和紙を重ねて裁つ時には肥後守を使っています。
8年前に近所の金物屋さんで購入しました。
1500円くらいだったかな?

この肥後守は両刃の割り込み?のようです。
長い間使っていると刃先の鋼がなくなったようで刃先が切れなくなったから
刃渡を短くして研いだらよく切れるようになりました。

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なんだか刃と鞘のバランスが悪いけど
和紙を裁つ時は刃先しか使わないからまぁいいやって感じで使っています。

そんなこんなの一日でした。

ゴールデンウイークって何?

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「雪が降る傘」と「星が降る傘」

あれだけ寒かったのに、
心配しなくてもずいぶんと過ごしやすい日和になりましたね。

異常気象や地球温暖化という言葉をつかっていた人は
どこに行ったんだろう?

番傘の蘊蓄(うんちく)を傾けます。
蘊蓄はうっとおしいかな?

過去に梅雨に傘をおろすというエントリーでも番傘の蘊蓄を傾けています。
興味があったら見てみてね。

さて、本題です。

番傘には和紙を張ります。
和紙のまま雨の日につかうと和紙が雨に濡れて和紙が破れます。
金魚すくいをイメージしてもらうとわかりやすかな?

で、雨の日に使って破れる番傘は使っていると雨に濡れるので
和紙に防水処理をします。

和紙の防水処理は荏油や亜麻仁油や桐油等の植物性油と鉱物油をブレンドして
そのブレンドした油(油性塗料といってもいいですね)を和紙に含ませます。
和傘製作の工程の1つの油を拭くという工程ですね。

そのブレンド油を含んだ和紙が乾燥すると番傘に斑点が出てきて
斑点の様子もブレンド油の調合でさまざまな斑点が出てきます。

その斑点の様子を

「星が降った傘」
「雪の降った傘」

と言います。

現在はそういった番傘の目利きをされる方はいらっしゃらないですし
そういった斑点が出ている番傘を製作している傘屋さんを見たことはありません。

文章にするとわかりにくいのですが、
暗い雨の日にその斑点のある傘をつかうと

番傘に星や雪が降ったような感じがするのです。

もちろん実際は星や雪は降っていないのですが
和傘全盛の時代は
番傘を購入する時にはそういった傘を選んで購入していたそうですよ。

わかりにくいけど星が降った傘を写真で公開。

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写真は張替の依頼があった番傘ですが星が降ったような感じが
イメージできます?

この星や雪の降った傘を見ると
世の中に番傘が必要なのかいつも自問自答しています。

A photograph is taken by Camera Sony DSC-RX100 

文字を書く

前は自分の名前を書けていたんだけど、
文字を書く必要性がないからか、
久しぶりに自分の名前を書くと書けなくなるみたい。

確かにそうかも。

って事でお母さんのスパルタ教育です(笑)
土曜日に畑を手伝ってもらい
日曜日は雨も降ってたので晴耕雨読ということでちょうどいいね。
文字を読むには文字が書けないとね。

んで、勉強も終わったので
お昼ご飯についての家族会議。

会議での内容は
栗のスィーツ、焼き肉、インドカレーにお菓子と議会がまとまりません(笑)
家族が増えると、議会の立案が決議するのにもっと時間がかかるんだろうなぁ〜

会議の結論は
ボクの実家に帰省し、
途中で昼ご飯を食べることになりました。
ボクの出身は福岡です。
久しぶりの帰省です。

お昼ご飯は会議の内容を覆すラーメンに決定(笑)

ボクのお気に入りのラーメン屋さんに行ってきました。
もちろん家族の承諾は得ましたよ。
帰省するとよく立ち寄るラーメン屋さんなのですが
替え玉の時に辛し高菜を入れるのが好きです。

山鹿から福岡までの道中で撮影した写真です。

撮影者は息子の峻平。

都市高速道路を走っているときにiPhoneを渡して
「写真を撮ってよ」
とお願いしました。
福岡の天気はあまりよくはなかったんだけど、
子供が撮影する写真っておもしろいよね。

過去のエントリーですがよかったらこちらもどうぞ。
おもしろいですよ。

お昼ご飯も食べて、久しぶりの実家へ帰る前に何かお土産ということで
家族会議で話し合ったスィーツという案を思い出しケーキを購入。
サッコと峻平がなんだかんだといいながらと選んでいました。

実家に到着。
ケーキやフルーツをみんなで食べました。
家族の近況を簡単に報告しあって
晩ご飯を食べて帰宅。

一日中お腹がいっぱいの帰省でした。

それから最近の仕事の話。
Twitterではつぶやいていたんだけど、再投稿。

県の助成金を使った地域活性の為の番傘の製作や
舞踊傘、蛇の目傘の張替と別誂の傘ができました。
これから写真撮影をして公開しようと考えています。

別誂の傘は世界的に有名な元世界モーターサイクルのチャンプの奥さんに贈答されたみたいですよ。

なんだかすごい事なんでしょうが、
製作者本人としては
まだなんだか実感がなく、ピンとこないんですよね。
どのように使ってもらっているかはわかりませんが、
使ってもらえたら感想が聞きたいです。

下の写真は傘に番号の入った番傘。
番号のウラにはお寺さんの名前が入っていて、
傘をひらいてもお寺さんの名前が入っています。
文字は近所の看板屋さんに書いてもらいました

さぁこれから納品の準備と次の仕事のダンドリをしなくっちゃ。

All photograph is taken by iphone.