野点傘の修理と張替

野点傘の修理と張替が終わりました。

お客さんに見積書を郵送したのが2012年6月26日だから約1年お待たせしました。

作業内容を公開します。

まずは張替をする傘の詳細を説明しますね。

轆轤(ロクロ)の目数が70軒あり傘骨の長さは三尺五寸と大きな野点傘です。
和紙の色が合っていないところや、補修したあと、
傘骨も修理した箇所が見られて
和紙の風合いからすると
そんなに古い傘ではありませんでしたが
何度も使用している感じでした。
傘が転倒したようで傘骨が15本折れていて補修は不可能な状態でしたので
痛んだ箇所を全て修理して張替をしました。

それでは作業の工程です。

まずは、カッターで傘骨から和紙を切り取りとります。
切り取ったあとは、傘骨に和紙が残った状態になるのですが、
その傘骨をお湯につけておくと、和紙がきれいに剝離するので
残った糊などをきれいにして、張り直せるように準備をします。

野点傘の張替には野点和紙が必要です。
野点傘のために特別に漉かれた和紙です。

野点和紙を漉かれてある方に電話をかけたところ廃業されたのことで
材料の準備で困っていたのですが、
岐阜の和傘製作所の株式会社坂井田永吉本店の坂井田さんに相談したところ
快く材料をわけてくださいました。

この場をかりてお礼申し上げます。
ありがとうございました。

和紙の準備が整ったので、骨折した傘骨を修理します。
話が蛇足しますが
「骨を折る」という言葉は傘屋さんの言葉だそうですよ。
他にも和傘に関する言葉ってたくさんあります。

また機会があれば紹介しますね。

骨折した傘骨を継ぎます。
この野点傘の傘骨は孟宗竹のようですが
ボクは隣町の八女の竹材店から購入してきた真竹のモトを使って修理しました。

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端折の所はこんな感じで骨折していたので
新たに製作した傘骨で壊れた傘骨を継いで修理します。

製作した傘骨
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こんな感じで傘骨を継ぎます。
傘骨を継いだら和紙で補強します。
人間の骨折で例えると和紙はギプスですね。
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ウチのウラにも竹林はあるのですが今回は竹材店から購入した真竹を使用しています。

壊れたところは糸でも修理します。
この糸は畳をつくるときのイグサを織る?のに使用する糸です。
すごく丈夫な糸です。
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修理が終わったので
次は「つなぎ」という工程です。
片撚りの木綿糸で傘の外側の骨「親骨」と内側の骨「小骨」を組み立てます。

傘骨を修理した所がまだ新しいのですぐにわかります。
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それから傘屋さんらしい作業の「張り」という作業です。
野点和紙を張っていきます。
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それから「天井張り」という作業です。
傘の最上部に和紙を張るのですが、
「張り」の作業と同じように平たく張ると傘の開閉が出来ず
無理に開こうとすると破れてしまいます。
建築でいうトイのように骨と骨の間に溝ができるように張っていきます。
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張り終わったら傘を畳み
糊や柿渋を使って次の工程のシタゴシラエをしておきます。

次の作業は和紙に植物性の油を含ませて天気のいい日に干します。
「天日干し」という作業です。
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待つのも仕事なのです。

天気が良くても天日干しの準備ができていない時は
「天気がもったいないなぁ」
といつも思います。

天日干しの次は「漆がけ」という作業で外側の親骨の上だけに漆を塗装します。
昔は漆をつかっていたようですが、
ボクはカシューという漆系合成樹脂塗料を使用しています。
昔は漆場という作業場があったそうですよ。
九州の傘屋さんに聞いた話によると漆場には
漆に埃が混入しないようにいろんな工夫がされてあったそうです。
この漆がけという作業は何度しても緊張する作業です。
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次は「糸飾り」という作業です。
「かがり」とか「糸かがり」とも呼ばれています。
下轆轤(手元轆轤)のほうから作業を進めます。
作業途中の写真ですが赤と黄色の糸が新しいのがわかります?
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この「糸飾り」という工程は
補強の意味があります。
建築でいうスジカイですね。

和傘の種類にもよるのですが、
この「糸飾り」がないと赤ちゃんの首がすわっていないような状態で
傘全体がぐらんぐらんと不安定な状態です。

先人達の「知恵」ですね。
敬服するしかありません。

この作業は順番を間違わなければ誰にでも出来ます。
蛇足ですが、
去年の夏にどうしても海に遊びに行きたかったので
時間短縮のためにウチに遊びに来てた友達に手伝ってもらったこともあります。

和傘の作業に使う針は尖っていなくていいので全ての針の針先を折っています。

下轆轤(手元ロクロ)は欠けや漆の剝離などがなかったので修理をする必要がなかったのですが
汚れを落としたのでピカピカになりました。
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継柄と木柄は漆が剝離していたのでカシューで塗装しなおして
真鍮や銅製の石突は磨いてピカピカになりましたよ。
藤は切れていたので巻き直しました。
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こんな感じで作業終了です。
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あとは修繕した日付が入った袋にいれて納品。
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野点傘は和紙が張ってあるので破れることがあったり、
今回のように風で倒れたりして骨折したりします。
和傘は繊細なつくりなので壊れることもありますが壊れにくいモノです。
和傘が壊れることがあっても何度でも修理が可能です。

このブログを読まれている方は
「和傘 張替」や「番傘 張替」「野点傘 修理」とか「張替」という
キーワードで検索されているようなので
ボクもGoogleで検索してみました。
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ネット上では

「和傘は修理可能です」

「和傘は修理をするより新品を買った方が早くて安い」

という製造者や販売店がありました。

「和傘は修理するより新品を買った方が早くて安い」
という販売店は自店で和傘を製作していないということはわかります。
商品を仕入れて販売している販売店なんでしょうね。

「和傘は修理可能です」
という販売店や製作者は
張替や修理は予算や材料や納期の問題があるので
「和傘は修理可能です」としか言えないのは、ボクには理解できます。

今回の野点傘の張替と修理はお預かりしている期間が1年という長期間でしたが
「新品を購入したほうが安い」という金額ではありませんでした。

傘の破損具合によっては新調と同じくらいの修理代金をいただく場合もありますが
それでもお客さんから張替や修理をしてもらいたいという依頼があります。

ボクは

「和傘は修理するより新品を買った方が早くて安い」

とお客さんに言ったことはありません。

修理で預かる期間が長期間だったり、修理費用が新品とおなじくらいの代金になっても
修理をするか、修理をしないかを最後に決めるのはお客さんだし

修理をするかしないかを販売店や製作者が決めてしまうことは
和傘の世界が無くなってしまう方向に進んで行くことだと思います。

和傘をつかうのは和傘製作者でも販売店でもなくお客さんです。

傘屋 崇山 Kasaya Souzan では他店購入分の修理、張替は受付していません。
和傘の修理や張替等の相談はまずは購入された販売店へご相談ください。

購入した傘屋さんが廃業されていたり
思い入れのある和傘についてはお話をお聞きした後に
傘を見せていただき診断した後に
見積もりを提案させてもらい修理や張替の受付をしています。

お問い合わせはこちらからどうぞ。

ムカデと畑と和傘の事

それではいきます。

・ムカデに噛まれた。
昨日の深夜、妻のサッコがムカデに噛まれました・・・・・
これで三回目です。

ムカデに噛まれた時の対処法。
三回目となるとさすがに学習してます(笑)
ムカデに噛まれてからすぐに熱いシャワーで洗い流して
シャンプーで何回か洗い流します。
ムカデの毒はタンパク質性の酵素毒らしく、熱に弱く43度以上で毒が分解されるそうです。
洗い流したあとは、準備していたムカデ焼酎で何度か消毒しました。
結果は・・・・
かなり効果がありました。
逆にムカデに噛まれてやってはいけない事は
「冷やす行為」
冷やすと腫れます。
痛いみたいです。
病院に行かないと症状が治まりません。
妻のサッコが経験済みです。
本当です(笑)

・有機肥料をもらった。
汚泥肥料で軽トラック一台分くらいは頂いた。
広さが10坪くらいの小さな畑で野菜をつくっています。
肥料は汚泥肥料と生ゴミのリサイクル堆肥とカルエース
それからすこしの米ぬかを肥料にして小さな畑をやっています。

肥料もそうなんですけど、循環する生活が理想ですね。
肥料やゴミだけじゃなくて、
これを読んでいる人のうれしいなぁって事が
ボクのうれしいなぁになって
ボクのうれしいなぁが他の誰かのうれしいなぁになって・・・・・
うまく循環する事を考えていると不幸にはならないんじゃないかな。
循環といえばもちろんお金も大切なんだけどね(笑)
頭の中の話と現実は別だけど。

和傘を使ってなにか循環することをつくることができたらいいな。

えーっと次は最近の和傘の事を。

・別誂の傘が出来た!
かっこいいのが出来ました!
和傘全盛時代に流行ったであろうデザインをリメイクしました。
黒にするか赤にするか悩んだけど、贈答する方のイメージが赤だったので白地に赤で製作。
写真撮影は終わっているのですが、9月にはいってにサイトで公開します。

・野点傘の修理、張替
えーっと隣町の市役所より依頼があって簡単な見積もり後の連絡待ちだったんだけど
返事があったのでこれから点検と再度見積もり。
実際に使用する野点傘で一番大きな寸法だと思います。

アクロス福岡での展示
八女市の伝統工芸品と一緒に展示して頂いています。
和傘を展示しない?って事で
日傘や博多献上柄の番傘等の4本の山鹿傘を預けました。
ボクの製作する和傘は八女手漉き和紙を使用しています。

さー次のダンドリをしなきゃ。

土曜日、日曜日、月曜日

をこんな感じで過ごしました。
それではいきます。

土曜日
午前中に野点傘張替・修理及び新調の見積もり終了。
あとは、お客さんより連絡待ち。
天気もよかったので、外でお昼ごはん。
準備の時間に庭木をつかってブランコをつくった。

日曜日
妻のサッコがタケノコの塩漬けに挑戦するとの事。
タケノコを裏山から採って来た。
火をおこしてアクヌキ。
タケノコは採りたてが一番美味しいと思う。
以前撮影した写真ですが
こんな感じ。
じゃーん。

米ぬかがなかったので、山鹿市内へ米ぬかを調達に。
途中、車のラジオで母の日だと知る。
んで、ホームセンターでまな板を買ってサッコにプレゼントしました。

それから野いちごを採りに裏の林へ。
アザミがたくさん咲いてた。
アザミってチクチクするんだよね。

ヘビがばっちり登場しそうな場所だったので、
ヨモギやアザミを採って一旦帰宅して作戦会議。
妻のサッコがヨモギと山椒で蒸しパンを作るんだって。

ごはんを食べて作戦会議の結果、息子の峻平と自転車で散歩。
んで、購買店でスプライトを飲んで休憩。
出発するとヘビ発見!
二人でそっと見守る(笑)
最近はヘビや蜂をよく見ます。

それから散歩の途中でたくさんの野いちご発見!
二人で興奮してると、
「家に戻って来て」と携帯電話が鳴る・・・・・
なんだかお客さんが来られたとの事。
戻ってその男性の方とお話していると、
一ヶ月前に茨城を自動車で出発して全国各地の手仕事や伝統工芸について勉強しているそう。
和傘にも興味があるらしく、作業行程等を簡単に説明していると
「無理!」と苦笑いしてました。
和傘をつくってみたかったのかなぁ?

こういった方が1年間で何人かウチを訪ねて来られます。
そういえばこの前はわざわざ東京から自動車で来られたという方もいらっしゃいましたよ。

んで、
もう一度、家族で野いちごを収穫へ。
結構な上り坂だったので、一人で奮闘。
帰り道で子供でも採れそうな場所にある野いちごを見つけたので
そこは峻平と二人で収穫。

採った野いちごはジャムに。
アイスクリームに乗っけて食べます。
あっそういえば、庭にミントもある。
いやっほー!

草ムラに入ったので、体がかゆくなったので明るいうちにお風呂へ入る。
明るい時間にお風呂にはいるのって贅沢な感じがするのはボクだけ?
夜は、AppleTVでレンタルしたSpy Kids 4を観た。
そんなこんなで休日終了。

月曜日
熊本市内へ行ってきました。
なんとなく気になっていたので、
観たかった映画『SHAME-シェイム-』を観てきました。

観た後は何となく面白かったなぁって感じだったんですが、
上映後、何気にパンフレットを観たらピタッときました。
面白かったです!
娯楽映画でもドキュメンタリー映画でもポルノ映画でもありません。
こういう映画をたくさんみたいです。
良い作品だと思います。

それから
日傘の修理が終わりました。
木柄の取替です。
基本的に他店購入分の傘の修理は受付けていません。
洋傘だったのですが、勉強になりました。
勉強にはなったのですが、きれいな赤字(笑)
いやっ笑い事じゃないって!


All photograph is taken by iphone.