雪の傘と黒蛇の目

演目『雪」で使われる舞踊傘を納品しました。
過去のエントリーでも紹介していますがロクロという木工部品が特徴的な舞踊傘です。

納品も終わり安心していたのですが
同じ演目「雪」で使われる舞踊傘の再製作依頼でうれしい悲鳴。

黒蛇の目(者)の納品も無事に終わって安心しています。
特に問題もなく納品完了。

先鋒から電話で連絡があり

「お支払いの件なのですが・・・・」

と歯切れの悪い言葉を聞いて嫌な予感が一瞬したのですが
こちらの事情を伝えると了承してくれて
お互いの意見が食い違うことなくお互いの意見が無事に着地してよかったです。

来春?にサンフランシスコ公演が控えているそうで
その際に使用する舞踊傘の打ち合わせをしました。

最近は納品が遅れ気味なので慌てずに急いでがんばります。

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13年前と変わったこと

13年ぶりに坂東玉三郎さんの八千代座公演を鑑賞してきました。
13年前に鑑賞した時は妻のサッコが長男の峻平を妊娠していたときに鑑賞したのを覚えています。

平成18年と令和元年の坂東玉三郎八千代座公演のプログラム。

13年前と変わったこと

・家族が5人になったこと
・ボクの製作する和傘を求めてくださる方が世の中にいらっしゃるということ
・和傘製作に従事する職人さんが減ったこと

13年も経つと

「まぁまぁおっさん」

になり外見は変わりましたが大きな自分自身の大きな変化はないような気がします。

自分自身に大きな変化はないと言っても少しずつ世の中は進んでいて
目に見える変化だったり目に見えない変化だったりで
13年前と現在を比べると間違いなく世の中は変わりましたね。

変化を否定しているわけではありませんが
ボクは海や山や川のように大きな変化を求めず
海や山や川のように少しずつ自然に変わっていきたいです。

10年前の写真。

たまに作業場へ遊びに来ていた長男の峻平の写真ですが
最近は用事があると

「お父さん仕事中にごめん」

と言って2階の作業場へ上がってきます。
そういえば慣れてしまって忘れていましたが

「お父さん」

といつの間にか呼ばれるようになったことも13年前と変わったことです。

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鷺娘2本傘

演目「鷺娘」で使われる舞踊傘を納品しました。

鷺娘といえば黒でぼかした舞踊傘が一般的なのですが
流派?によっては舞台で2本の舞踊傘を同時に使うときもあるようです。

2本の傘の色はブルーとピンクの傘で
それぞれの色に日本色の名前もあるのですがここでは割愛。

鷺娘2本傘に使われるブルーとピンク舞踊傘は一般的な舞踊傘より小さく
紙張だったり紗張の舞踊傘です。

今回は紙張と紗張の鷺娘2本傘を納品しました。

紙張の鷺娘2本傘は裏銀と呼ばれる銀紙を張ってから
ブルーとピンクに染色した和紙を張って製作するので
傘の外側はブルーやピンクの色和紙で傘の内側が銀紙の舞踊傘になります。

別件の鷺娘2本傘はブルーの衣装なので紗張で製作したピンクの鷺娘2本傘。
ピンクの衣装の場合にはブルーの舞踊傘を2本って踊るそう。

同じ演目でも様々な寸法や色の舞踊傘が使われるというのは
なんだかややこしいですね・・・・・・・

納品した鷺娘2本傘は色見本がなかったので
色見本を3種類製作して和紙と紗の色の打ち合わせをしました。

同じ色でもボクの見ている色と他人の見ている色って違う気がするからです。
色って難しいですね。

ボクの見ている色とこのブログを読んでくれている人が見ている色って同じ色なのでしょうか?
ボクの見えている色とこのブログを読んでくれている人の見えている色が全く同じ色だったら
ボクは色について何も心配しなくてもいいのでうれしいです。

そういった色見の心配もあったのですが特に問題もなく納品も無事に終わって安心しました。

が、

ボクの勘違いで4月の納品だと思っていた案件が
10月中旬の納品ということに気がつきました・・・・・・

先方からの連絡で気がついたのですが
めちゃくちゃびっくりして驚いています。

まぁまぁまずいぞ・・・・・・・

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最近納品した舞踊傘

・黒蛇の目(紗)

「将門」という演目で使われるそう。
見本品を送ってもらいメールと電話で打ち合わせをして製作。

納品が終わって安心していたら別件で寸法違いの黒蛇の目(紗)の製作依頼がありました。
別に油断していたわけではないのですが結構びっくりしました。

・黒ぼかし(紗)

黒でぼかした舞踊傘は「鷺娘」という演目がよく知られているのですが
「雪」という演目でも黒ぼかしの舞踊傘が使われるそう。

「鷺娘」は単色での糸飾り(白)なんだけど「雪」の演目で使われる舞踊傘は
流派?によっては5色だったり単色だったりするらしいです。

なんだかややこしいですね・・・・・

納品は無事に終ったのですが別件で寸法違いの黒ぼかし(紗)の製作依頼がありました。
こちらも油断していたわけではないのですが結構びっくりです。

・沖縄の傘

過去の請求書とブログのエントリーを調べてみると1年に1度製作依頼をいただいています。
今回は納品期日が厳しい感じだったので新調をあきらめて見本品の在庫を納品。
様々な寸法の紺日傘を納品したのですがどんな踊りなのか見てみたいです。

これで在庫なし・・・・・

・番傘

ロゴや文字のレイアウトはボクが担当して
絵入れは妻のサッコに時給1000円で依頼。

納期にも間に合い無事納品完了。

・三段傘の修理

久しぶりに三段傘を修理しました。

舞台で使いたいということで修理というよりほとんどの部品の交換と張替で新品同様になりました。
あとは先方が生地をつけられるということで無事納品完了。

・黒ぼかし(紗)

演目「鷺娘」で使われる舞踊傘を製作しました。
今回は仕上がりが思ったより上手くいかなくて少しヘコんでいました。

ヘコんでいても時間は戻ることはないのでヘコんでいる暇はありません。

仕上がりが思っていたより上手くいかなかった理由が理解できたので
仕上がりが思っていたより上手くいかなくて少しヘコんでよかったです。

今のボクにできるこれ以上にない最高の舞踊傘が製作できたので
次はもっと最高な舞踊傘が製作できると信じています。

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鷺娘の傘

演目「鷺娘」で使われる舞踊傘を製作しました。

鷺娘は黒でぼかした舞踊傘で和紙や絹(紗)を張って傘を製作します。

今回の依頼は坂東玉三郎さんが鷺娘で使われる舞踊傘と同じ寸法で製作してほしいということ。

坂東玉三郎さんが鷺娘で使われる舞踊傘は特殊な寸法で
その特殊な寸法での製作は材料の関係で製作を見送ることになり
先方に伝えると数日後に

「やっぱりあきらめられないんですよね。
 ハジキの位置を上げてもらって傘が大きく見えるようにできませんか?」

と連絡があったのですが先方との信頼関係もあり
こういった相談はどうにか形にして応えたいものです。

信頼関係というのは目に見える契約書などないので
信頼を裏切られることもあるのでしょうが
ボクは信用できると思った人に対してはどんなことがあっても信じて
ボクの出来る範囲で応えています。

打ち合わせの時に聞いた話からの推測ですが
ボクの製作した鷺娘の舞踊傘は坂東玉三郎さんが鷺娘で使われる舞踊傘の寸法と
実寸で直径が6分程度(約18mm)小さいのですがハジキの位置を上げ傘を大きく見えるようにして
ほぼ同じ寸法で製作できたのでよかったです。

納品も終わり一安心。

だったのですが・・・・・・

「紙の方はいいんですけど紗(絹)の方のハジキを下げてもらえませんか?」

と先方から連絡がありました。

紙の傘は問題なく紗(絹)の傘のハジキを下げるのは理由があるのですが
見る人が見ればわかるというのは製作者にとって怖いモノです。

ハジキ位置は柄竹を交換して調整しようと考えましたが
ちょうといい寸法の柄竹の在庫がなかったので
既存の柄竹を継いで延長してハジキの位置を調整しました。

柄竹を継ぐ加工がちょっと大変だったけど無事に調整が終わって改めて納品完了。
しばらくして連絡がありリハーサルも無事に問題なく終わったということで先方も安心した様子。

よかった。

別件で鷺娘の舞踊傘の製作依頼があってこちらは無事に問題なく納品完了。
こちらの案件は納期の期日は指定されていなかったのですが
長い時間待たせてしまい納品が遅くなってしまいました。

あと写真はありませんが鷺娘で使われる様々な大きさの舞踊傘の修理依頼がありました。
こちらはどうやって修理しようか悩んでいましたが電話での打ち合わせで新調することになり
修理依頼の傘は修理と張替を進める方向になりました。

舞踊の世界では様々な種類の舞踊傘が使われていて和傘が必要とされています。

材料の入手が困難な場合もあって製作不可能な和傘もありますが
ボクはどんな和傘でも製作できるようになりたいです。

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紙張のぼかし傘(鷺娘)

昨年末に演目「鷺娘」で使われる舞踊傘を納品しました。

過去のエントリーをなんとなく読み返してみたら
最近の納品は納品期日ギリギリなので
もっとがんばらないといけないようですが
これ以上がんばる方法がわからないので
慌てずに急いでかんばります。

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あっちからこっちから

製作依頼や修理依頼をあっちからとこっちからといだだいています。
その他にも見積書の作成や打ち合わせにメールの返信と
仕事に忙殺されている日々を過ごしています。

ボクのあつかましいお願いに
いつも快く応えてくれる取引先の方々には感謝しかありません。

どれだけ仕事が忙しくても遠慮なく毎日やってくる育児に家事。

九州の片田舎にいても
あっちからこっちからと様々な依頼に対して不思議な感覚と
ちょっとやばくね?という感覚があります。

製作依頼があった見本の舞踊傘や修理依頼の舞踊傘が届いたのですが
こちらのエントリーで紹介した薮田さんという職人さんが製作した舞踊傘の見本もありました。

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鷺娘

演目「鷺娘」に使われる舞踊傘を製作して納品しました。

数本の舞踊傘を納品したのですが不安が残る納品だったので
先方に確認すると

「薮田の傘に近づいてきましたね。
でも、吉田さんの傘は薮田の傘よりしっかりしすぎているんですよね」

というお言葉をいただきました。

「しっかりしすぎている」

というの意味は以前から何となくは理解できているのですが
そういった言葉が勉強になります。

舞踊傘の製作依頼やお褒めの言葉もいただきました。

やったぜ。

お褒めの言葉はやっぱりうれしいのですが
半分はお世辞だと思っています。

薮田の傘というのは
東京に在住されている薮田さんという職人さんが製作された和傘です。

舞踊傘を製作するようになってからお名前をよく聞くようになったのですが
薮田さんとお会いしたことはありません。

舞踊傘を製作するにあたって
見本で薮田さんが製作された和傘を見る機会が多いのですが
薮田さんが製作した和傘を見ていると
薮田さんにお会いしているような気持ちになります。

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「あやめ」

「あやめ」という演目で使われる舞踊傘を納品しました。

写真では色が伝わりにくいのですが
紫に赤みがかった色です。

「あやめ」を漢字で書くと「菖蒲」ですが
「菖蒲」は「しょうぶ」とも呼び菖蒲色(しょうぶいろ)という日本色もありますが
あやめ色はしょうぶ色とはまた違った色になります。

なんだかややこしいので本より直接引用。

あやめいろ「菖蒲色」

菖蒲色と表記された色名には
「しょうぶいろ」と「あやめいろ」と2とおりある。
サトイモ科の菖蒲(しょうぶ)とアヤメ科の菖蒲(あやめ)が
昔は区分されないまま同じ漢字があてられたからこうなってしまったのこと。
襲(かさね)の色目に「しょうぶ」の色目があり表青、裏紅梅とされてあるから、
色名としては「しょうぶ」のほうが古いが、
「あやめ」は「しょうぶ」の古名とのことなので花の名前としては「あやめ」が古い。

江戸時代には「あやめ」の音が美しいことからこちらが好まれるようになり、
菖蒲には「あやめ」の名前がよく選ばれるようになった。

もちろん表す色も違ってくる。江戸後期の染色の色や文様の手引き本には、紫系の染色で
「藍がかちたるを桔梗といい、赤みがかちたるを菖蒲(あやめ)といふ」と説明されている。

平成25年5月31日発行 新版 色の名前507(P.232)より   著者 福田郁夫

色見本を製作して先方と打ち合わせをしたのですが
ボクが思っていた色よりも濃色の見本を先方が選んだので
理由を尋ねてみると

「舞台では濃色の方が綺麗だと思ったからです」

というお返事をいただき納得できました。

「鷺娘やの演目のように
 演技中に雪が降っている場面があるからボカした感じの傘を使うのですか?」

とさらに先方に聞いてみると

「あやめ」という演目に使われる舞踊傘は
昔は蛇の目傘で演技していたらしく
蛇の目傘からボカした感じの舞踊傘になったのは
長唄が音楽でいうとオーケストラのような感じで
ハッキリとした図案の蛇の目傘よりボカした舞踊傘の方が綺麗だということで
「あやめ」の演目ではボカした舞踊傘が使われるようになった。

という返事をいただき
とても勉強になり感心しました。

納品は無事に終わったのですが
はじめて使った色で製作者としては少し心配だったので
先方に電話で確認してみると

「ベリーグッドです」

というお言葉をいただき安心することができました。

江戸時代には「あやめ」の音が美しいことからこちらが好まれるようになった

と直接引用した本にも書かれてあるけど
目に見えないモノに対しての感性が豊かな方には憧れますし
そういう人になりたいです。

webサイトでも写真を紹介していますので気になる方はこちらよりどうぞ。

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「雪」

「雪」という演目で使われる舞踊傘を納品しました。

どんな内容の演目なのかは勉強不足で知らないのですが
演目中に雪が降っているという場面があるらしく
黒の蛇の目傘に雪が降り積もっている様子の舞踊傘です。

雪が降り積もっている様子の舞踊傘では
「鷺娘」
という演目がよく知られてあるのですが
今回製作した「雪」の舞踊傘は「鷺娘」で使われる舞踊傘よりも
天ロクロ(傘の上部の部品)が長く
演技中に閉じた傘の上部の長い天ロクロを握って演技する演目らしいです。

webサイトでも写真を紹介していますので気になる方はこちらよりどうぞ。

All photograph is taken by Sony DSC-RX100.